〈突破力を見てやろうじゃないか〉2大印刷会社でありながら自己否定 凸版印刷のブランディング大作戦
印刷会社だと思っているでしょ
違う。「突破する会社」なんだって
年末恒例のテレビ番組「NHK紅白歌合戦」で白組司会を3年連続で勤め、幅広い層から好かれる俳優・大泉洋が、人気イケメン俳優の成田凌を相手に「印刷の会社だと思ってません?」と、したり顔で問い掛けるテレビCM。大日本印刷とともに国内印刷業界2強の座を占める凸版印刷が、2021年4月から続けているブランディングを目的とした企業広告である。
CMでは、成田凌が社名に「印刷」の文字が入っているではないかと反証を試みるものの、大泉洋から「名前で判断するんですか?」と突っ込まれ、「突破する会社ですよ。凸版だけに」とたたみかけられた後、「すべてを突破する。TOPPA‼TOPPAN」というナレーションで締める構成となっている。
因みに同社が、大々的なテレビCMを出稿するのはこれが初めてだそうだ。企業の価値やイメージを高く認知してもらう取り組み“ブランディング”に、躍起となっていることが伺える。
印刷会社と言えば、戦前は、小林多喜二の『蟹工船』とともにプロレタリア文学の傑作と称される徳永直の『太陽のない街』の舞台に選ばれたように、資本家から搾取されるブルーカラー層が集う所と目された。