#みかん
【短編】 登山のご縁#3(半分のみかん)
翌朝早く目覚めた母の洋子は、枕元の名刺を手に取り、その色褪せた名刺を暫く見つめていた。
そして、名刺を頂いた26年前の情景を鮮明に思い出した。
秋晴れの絶好の行楽日和に、20代前半の洋子と親友の和美は霧島連山最高峰の韓国岳登山を楽しんでいた。
途中二人は、休憩をするための程よい岩を探し腰掛け、背負ったザックを「ヨイショ」と降ろした。
洋子は膝の上に置いた自分の赤いザックの中から、小ぶりの温州み
翌朝早く目覚めた母の洋子は、枕元の名刺を手に取り、その色褪せた名刺を暫く見つめていた。
そして、名刺を頂いた26年前の情景を鮮明に思い出した。
秋晴れの絶好の行楽日和に、20代前半の洋子と親友の和美は霧島連山最高峰の韓国岳登山を楽しんでいた。
途中二人は、休憩をするための程よい岩を探し腰掛け、背負ったザックを「ヨイショ」と降ろした。
洋子は膝の上に置いた自分の赤いザックの中から、小ぶりの温州み