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読み聞かせ

本が大好きで、得たものも大きかったと思っているので、子どもにも本好きになってほしかったが、案の定そんなにうまくはいかなかった。

本を好きになるきっかけとして簡単に思いつくところでは、読み聞かせ。
これは上の子が2歳くらいから小学校中学年までやっていたと思うので、7~8年くらい続けた。
毎晩、ではないけれど、寝る前の十数分、二日は空けずに読んでいた。
いまもまだあるのかしら、当時「おひさま」という読み聞かせの雑誌?絵本?があって、それを読んだり、定番の日本昔話とか、世界の童話とか、とにもかくにもたくさん読んだ。

本を買うのも限度があるので、図書館で借りたりしたけど、そんなことでは追いつかなくなり、また、読んでいる私も同じ話ばかりで飽きたりして、創作もけっこうした。
「桃太郎が帰った後の鬼ヶ島ってどうなったと思う?」
鬼ヶ島の伝承は全国各地にいろいろあって、「その後の鬼の物語」が語り継がれているところもある。
以前何かで読んだそんな知識がここで役に立ち、「その後の物語」をたくさん作ったが、話に花が咲きすぎ、というか、話し始めたはいいけどうまくまとめることができずに明日に持ち越しとなり、「続きもの」の長編がたくさん誕生した。

子どもたちが一番気に入っていたのは、「となりのせきのますだくん」

それと「おとうさんはウルトラマン」

あとは、佐々木マキさんや長新太さん。
読んでいる私も大好きな本だった。

子どもって飽きを知らない。
一字一句諳んじるくらいに覚えているのに、毎日毎日同じ話をせがんだり。
私のほうが飽きて「創作」してしまったけど、新しい本を欲しがるでもなく、子どもが摂取していたのは物語の面白さ半分、変わらない日常という安心感半分だったかな、と思う。

あわよくば本好きになってほしいと思って始めた読み聞かせだったけど、上の子は今に至るまでまったく本を読まない。
下の子は漫画が大好き。
読書好きになってほしいという願いは叶わなかったけど、ふたりは聡く、会話が面白いし、それはあの時に蒔いた種のほんの一粒の成果かもしれない。

なにより、私にとって、あの読み聞かせの時間は楽しく、かけがえないものだったので、やはり「甲斐」のあることだったと思う。





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