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いまここ

「いまここ」
昔、ある読書会に参加したときに知った言葉だ。
now&here
いま、と、ここ。

その人が紹介したのは、ゆるい仏教の実践、みたいな本で、ともかく日常のあらゆることの「いま」と「ここ」をきちんと感じよう、という内容だったように記憶しているが、そのときの記録を読み返してもそれ以上のことが書かれていないので、本当にそんな本だったか、そんな紹介だったか曖昧だ。
場所が美味しいカレー屋さんで、小さなテーブル席にぎゅうぎゅうに座って話し合ったことが記憶にあるだけ。

その本のことは正直あまり興味がなくてそのままになってしまったのだが、ずいぶんあとになって知り合いの精神保健福祉士さんと話をした時に、全然別の文脈で「いまここ」というワードが出て、そういえばとおぼろに思い出したのだった。
そのときは対人援助の話をしていて、主に支援者の立ち位置での「いまここ」の話だったのだが、「いまここ」はなにも支援者だけのものではなく、要支援者にとっても、さらに誰にとっても有用な考え方だし、「いまここ」という言葉のわかりやすさがいい。

マインドフルネスとか、ある種の行動療法とか、一時のブームが去って継続的な実践や広がりがない、あるいは少ないと感じる。
あのときさんざん行動療法などを勉強した身からすると、人口に膾炙するまでなにかを広めるのは本当に大変なことだし、これだけ誰もが知る言葉になったにもかかわらず、習慣化できる人は多くない。
ペンタゴンにも瞑想の時間があると聞いたとき、でも瞑想って案外難しいんだよな、って思ったのだけど、けっきょくそれも「いまここ」の実践だ。
言葉を単純にして、自分で自分に落とし込まなければ、何にもならない。

自分にも、最近「いまここ」が足りていない。
足元がふわついて、あちこちに気持ちが行って、いつもいろいろなものに追われて焦っている。
落ち着いて深く掘り下げて考える時間がない。余裕もない。

いま、と、ここ。
とりあえず私は職場で遅いお昼ごはんを食べながらnoteを読んでいる。



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いしい
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