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本屋は売れ筋を取りに行く
本屋大賞にノミネートされた本はあえて読まないことにしている。
その本が面白いかどうかは関係なく、本屋大賞だから、というそれだけの理由である。
本屋大賞の、書店員さんが自ら売りたい本を選ぶ、というコンセプトは素晴らしいものだ。
でも、売りたい本は結局売れている本だ。
売れている本を推す形になっている。
そんなつもりはなくてもそうなっている。
面白いから売れるし、面白いから売りたいと思う。
理にかなっている。
でも、だから、私は読もうと思わない。
「禁忌の子」は読みたかったけど、天邪鬼なのでもう読まないと思う。
別に本屋大賞にノミネートされようがどうしようが、本の価値には何の変わりもないのだし、そんなことで意味不明な意地を張る自分がどうかしている。
でも、たぶん読まない。
過去、本屋大賞の受賞作を全く読んでいないわけではない。
博士の愛した数式、天地明察、鹿の王、かがみの孤城は読んだ。
ノミネートされる前に読んだ。
それだって、順序が逆なら読まなかったかもしれない。
面白いと思うなら読めばいいだけ。
どんな賞にノミネートされていようと関係ない。
でも、本屋大賞だけは避けてる。
そうか、面白いのか、書店員さんの折り紙付きか。
そうなった時点で、興味がなくなってしまう。
面白いとわかっている本ならあえて読まなくてもいいと思う。
その真の面白さは自分で咀嚼しなければわからないのだけど、みんなが面白いと言うなら、みんなが面白いという事実だけでもういいかな、と思う。
売れている本をあえて推すのは、売れるうちにできるだけ売りたいからなのか、というのは見方が意地悪すぎるね。
普段本を手に取らない人にコミットしているのだから、あえてそういう本を選ぶのは当然だ。商業的戦略として真っ当だ。
でもそれではちょっと矜持が足りないのでは?
この本を売りたい、と思う書店員さんはどの程度の本を読んでいるのか。
そのひとが対峙した本の山の高さを、私はあまり信用していない。
だから、読まなくてもいいかな、と思う。
面白いとわかっているならなおさら。
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