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金剛バス廃業は大阪都市圏衰退の一歩か?


金剛バス、バス事業から撤退

えらいニュースが入って来ました。大阪南部に運行路線を持つ、金剛バスで知られる金剛自動車が路線バス事業から撤退するとの報道が入ってきました。
ヘッダー画像は富田林市内のイオン金剛東店の屋上からPLの大平和祈念塔を撮影した写真ですが、金剛バスは富田林駅や喜志駅からより山側、つまり河南町や千早赤阪方面を結ぶバスです。
山側を走るとはいえ、大阪阿部野橋駅から富田林駅までは30分程と大阪市内へのアクセスもそこまで悪くない所です。大都市近郊のバス会社が事業撤退なのはかなり衝撃的です。
金剛山のロープウェイも廃止され、このエリアの衰退が目立ちます。
イオン金剛東店周辺のエリアは大手私鉄グループの近鉄バスや南海バスのエリアで、PLの敷地以外の周辺は比較的宅地化されているエリアです。
金剛バス廃業の原因としては、報道によると利用客の低迷と乗務員不足とされています。
大手バス会社のグループに属していないローカル企業で、経営基盤が弱いことも一因かもしれません。

↑(補足)富田林市の位置。市内の幹線道路は国道309号と国道170号(大阪外環状線)。金剛バスは概ね外環状線の東側を走る。ヘッダー画像は超宗派万国戦争犠牲者云々と書かれている所周辺。

ロードサイド店の出店は近年著しい

他方で、この富田林市を貫く国道309号沿いは近年、ロードサイド型の商業施設の進出が著しいエリアです。
国道309号の沿道にあたる松原市では近日中にイオンタウンが開業予定で、堺市美原区にはビバモールとららぽーとが開業しました。
さらに富田林市にはトライアル、河南町にはスーパーセンターオークワが2010年代以降開業しています。

ららぽーと堺のイメージ
三井不動産商業マネジメントより

人口減少からは免れず、駅前も衰退傾向


しかし、大阪市と隣接する松原市を含む南河内エリアは人口減少が著しいエリアで、鉄道利用客数も年々減っているエリアという面を見落としてはならず、金剛バスの廃業からも読み取れるようにロードサイド店の相次ぐ開業を手放しで喜べる状況では全くない状況です。
正直、南河内エリアは先述のようにロードサイドへの開発が著しい一方、駅前の開発はほとんどされておらず(小規模ながら目立ったのは藤井寺駅前くらい)、他の地方都市とあまり変わらないと言ってもいい状況です。
まさに、「喜志駅周辺なんもない」と歌われている通りです。因みに大阪芸術大学も金剛バスの営業エリアです。通学用のバスはありますが、本当に路線バスがなくなったとしたら心理的に行きづらくなるかもしれません。

その為、起死回生の一手は見えないと言ってもいいと思います。

南河内エリアの衰退は大阪都市圏ひいては関西の衰退か?


大阪市内では万博開催に大阪公立大の新キャンパス開業、さらになにわ筋線の開業、そして兵庫県の某球団のアレによる経済効果などなど明るい話題は多いです。
しかし、金剛バスの廃業は大阪都市圏の衰退の一歩になりうるかもしれません。ローカルだけでなく広域的にみても、北陸新幹線やリニアなど懸念点は多いです。
ただ、腐っても大都市近郊のエリアです。このままバス路線がなくなるのは非常によくない状況で、行政も動くとのことなので、引き続き別の事業者によりバスの運行は続く可能性はあります。
今後、どうなっていくのでしょうか?





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