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【読書メモ(日本語)】1月-2月に読んだ本まとめて記録

家族の怪我から始まり何かとハプニング続きだった1月を乗り切ったら、自分自身が大風邪ひいた2月。花粉症にもやられています。。。

そんななかでも本はせっせと摂取していたので、今年はnoteに読んだ本全部記録していこうと思っています。

ただでさえ注意力散漫なのに複数冊を同時進行で読むタイプで、さらに年々DNFをする度胸(?)がついてきているため、読了できた本が意外と少ないことに気がつくのが月末の恒例行事になりつつある。

*DNF=Did Not Finishの略。読むのを途中でやめるという意味で読書コミュでよく使われる言葉です


1月に読んだもの

『死刑執行のノート』

ダニヤ・クカフカ 著
鈴木美朋 翻訳

これは昨年話題になっていた『Bright Young Woman』という小説を読んだ流れで手に取ったのですが、なかなか良かった。

死刑執行まで残り12時間となった死刑囚と、この男のために人生が変わってしまった人たちの視点とを交えながら話が進んでいく。
話が最初に思っていた方向には行かずに思いがけない展開になっていって面白かった。

私はずっと前から連続殺人犯とか犯罪者をカリスマっぽく描く話に食傷気味起こしてる人間なんで、ぜひこっち側の視点をもっと掘り下げてもらいたいと思います。


『SNS時代のカルチャー革命』

竹田ダニエル 著

X(Twitter)でもフォローしてる竹田ダニエル氏の著書。

海外のソーシャルメディアの話題をチェックするのはシンプルに楽しいから好きなんだけど、楽しいだけではすまない闇が実はいろいろある。

特にSNSから新しい英語を勉強することが多い自分にはアルゴスピークに関する章が面白かった。要は日本でいう隠語みたいなもの。
あとビヨンセの『Cowboy Carter』の章も、今まで知らなかったカントリー音楽の成り立ちなどが興味深かった。背景を知っていると、先日このアルバムが(やっっっっと)グラミー賞を受賞したこともより一層意義深いことだと思える。


『ぼくの死体をよろしく頼む』

川上弘美著

去年熱心に見ていた朝ドラ『虎に翼』の脚本家の方がおすすめしていたのをどこかで見て、めちゃくちゃ久しぶりに川上久美の短編集を読んだ。
どのくらい久しぶりかというと、昔クーネルに載ってた連載を読んでた時以来。昔は恋愛脳の痛々しい女の色恋小説を書く人だと勝手に切り捨てていた(失礼&節穴ですみませんでした)

こういう短いけどしっかり刺してくる、脳に「想像を膨らませる刺激」をくれるお話が今の自分の気分に合っていて良かった。


『傲慢と善良』

辻村 深月著

オーディオブック。あんまり深く考えずとも入ってくる内容なので家事や作業しながら楽しく聞き進められる、オーディブル向きの小説ですね。
婚活で出会って結婚間近の男女の話。女性の方がある日突然姿を消してしまい、そこから彼女の真の姿に近づいていくと同時に男も自分自身と向き合うことになる。

結婚相談所を営むキレ者キャラが出てきて、その人の語りシーンに結構分量が注がれており、たぶんそこが一番の見どころ。実際に結婚相談所をやっていた方を知ってるけど、その人に取材したんかな?と思ってしまうくらいイメージが被った。いろんな人間と対峙してて分析もたくさんしてるだろうし、柔な精神じゃやってけない仕事なんだろうな。

「みなさん謙虚だし自己評価が低い一方で、自己愛の方はとても強いんです」
という指摘は特に刺さりますなあ。
それにしても辻村深月さんは多作ですごい。


2月に読んだもの

『音もなく少女は』

ボストン・テラン著、田口俊樹訳

ずっと読みたい本リストに入っていたので読んだ。耳の聞こえない少女を中心にした女たちの闘いのドラマ。

世界観の構築が命なタイプの小説だなと思う。なのでもしこの文章スタイルについていけないなーと感じたら迷わず途中でDNFでいいと思います。私も境界線を彷徨いながら最後まで読みました(笑)
私が最後まで読めたのは信仰と暴力のコントラストや、60年代あたりのニューヨークの空気感などのイメージが浮かんでくる文章がなんだかんだで合っていたからだと思う。


『台湾漫遊鉄道のふたり』

楊 双子著・三浦裕子訳

毎年チェックしている日本翻訳大賞を受賞していたので読みました。
日本統治下の台湾を舞台にした日本人作家と台湾人通訳の物語。

台湾の美味しい食事の描写がたくさんと、ちょっとしたミステリ要素と、たいせつな日本と台湾との歴史。いろんなことを同時に摂取しているような感じがしてすごく読み応えがあった。
台湾には10年以上前に旅行したことがあって、見たことないような食べ物がたくさんあり、しかもどれも美味しい!と感動した記憶があるのですが、また行きたくなったな。


『十戒』

夕木春央著

オーディオブック。前回の『方舟』と同様で、単純作業とかしながら聞くのにちょうどいいエンタメミステリでした。『方舟』のがビックリ感はあったかな。

親族が残した島で殺人事件が発生する。「警察に通報したり犯人探しをしてはならない(したら島ごと爆破)」等のルール(戒律)が課されており、島に取り残された人たちの緊迫した日々が始まる。

聖書の引用の仕方に安直感あるのは否めないものの(前回から思ってる)、クローズドサークルものとして深く考えずにアイディアを楽しみました。


『恐怖の構造』

平山夢明著

面白かった。人はどういうものに恐怖を感じるのか、恐怖をエンタメとして消費するのはなぜなのか、という問いに対してのホラー小説家の考察。

国や宗教観によって怖いと感じるものが変わってくるのは確かにそうかも!やっぱ日本人の私は欧米ホラーより国産ホラーのが100倍怖いもんな。
著者の好きな映画とか恐怖小説の書き方なども軽く紹介されていて、「各論と総論」など勉強になったし、最後の対談も面白かった。


『世界でいちばん透きとおった物語』

杉井光著

私の好きな言葉=【衝撃のラスト!】
まんまと楽しみました。

『世界でいちばん透きとおった物語』というタイトルの幻の小説を探す主人公が、ある答えにたどり着く。

長くないし、文庫で手に取りやすいから旅行とかお出かけに持っていく小説としておすすめしたいです。最後まで読んだらまたいろいろ読み返したくなると思います。


『死んだ山田と教室』

金子玲介著

オーディオブック。死んだクラスメートの山田が教室に帰ってきた。人気者の山田とクラスメートたちの青春物語。
でも重要なのは青春が終わってから。みんな大人になって、一生このままと子ども心に信じていた関係もやがて変わっていく。大人になれない山田だけがあの時のままで取り残されていく。

男子高校生たちの会話のノリにはついて行けなかったけど、周りが成長していくのに自分だけ変わらない寂しさや焦燥感は自分も身に覚えがあるから、聞いていてメチャクチャ胸が痛くなったし切なくなった。


ちなみに洋書はMiranda July の『All Fours』が昨年からまだ読んでます。早くしないと日本版出ちゃう~いや出てほしいけど
あとAudiobookでIris Mwanzaの『The Lion's Den』をノロノロ聞いてます。


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