しびれる!算数セットの記名作業
細かなアイテムの多さと言ったらない。
おはじき30個、数え棒100本などは3ミリ程度のスペースしかない。
これら含め全アイテムに記名せよという難題だ。
この算数セット、私が入学の頃ざっと35年前から内容がさして変わっていないことに驚く。
更に驚くのが、名前書き作業も35年前から相変わらず存在している点だ。
当時の親たちも、さぞかし面倒だったろう。
共働きが主流となった今、名前書き作業は更に私たちの時間を圧迫する。
当時と変わらない道具に、当時と変わらない作業。
35年の間に声を上げる勇者が現れない訳がない。
イノベーションが起きない原因は何か、思考を巡らせる。
いや、あれこれ考える時間の余裕はない。
綺麗に名前を入れたとしても、遅かれ早かれいくつかは紛失するだろうし、ここは完成形の精度を多少落としても作業効率を上げることを優先しよう。
手段としてはシールか、ハンコか。
一通りネットで調べるものの、どちらも帯に短し…。
舌打ちして油性ペンを取り出し、黙々と名入れを始める私のこの姿も、35年前の母と同じだろうか。
ものの15分後で数え棒の軍勢に敗北し、シールを注文した。