カラオケルームにいる全員が歌った曲

 カラオケへ行くと必ず歌う曲。誰しも必ず一つは持ち合わせているだろう。

 私の場合はスピッツの『楓』と『遥か』、浜崎あゆみ『Dearest』、パスピエの『裏の裏』といったところか。他にももっとあるが、ここでは割愛しておこう。

 だが、同じカラオケルームにいる友人や知り合いなどが、全員同じ歌を歌うことは、ほとんど無いであろう。


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 昔友達2人とカラオケへ行ったことがあった。よく遊ぶ友達とスタジャンくん(よくスタジャンを着てたのでそう呼ぶことにする)だ。

 交互に選曲に使うタブレットのようなものを回し、好きな歌を歌ってゆく。その間は、空になったコップにドリンクを注ぎに行ったり、次の曲を選んだりする。

 個人的に好きだったのは、よく一緒に遊ぶ友達が歌っていた花澤香菜の『恋愛サーキュレーション』。クオリティーの方はお世辞にも上手とは言えない。だが、その歌声が何だかクセになって、つい聴き入ってしまった。

 歌う曲が尽き始めようとしていたころ。スタジャンくんが入れた曲が流れ始めた。Gacktの『Journey though the decade』だ。

『Journey though the decade』は仮面ライダーシリーズの一つである『仮面ライダーディケイド』の主題歌。『仮面ライダーディケイド』は、私の友達の間では特に人気が高く、よく話題に登ることがよくあった。You Tubeでの一挙公開のときは、どれだけその話題で盛り上がったことが。

 低くて声量のあるスタジャンくんの歌声はなかなか良かった。声のトーンが高めの私には到底できない芸当だ。

 そしてスタジャンくんが歌い終わったあと、友達が選曲した曲が流れる。このとき選曲した曲も、Gacktの『Journey though the decade』だった。

 声量はスタジャンくんほどでは無かったが、低めのトーンの歌声が何とも良い。おそらく今まで彼が歌った物の中では、一番上手だったのではないかとさえ思える。

 とうとう私の出番がやってきた。選曲した曲は、Gacktの『Journey though the decade』だった。

 実は私も、Gacktの『Journey though the decade』を歌える。昔You Tubeで作業用BGMとしてよく聴いていたからだ。

 声のトーンを低めに抑え、歌い始める。

 二人のように上手くは歌えなかったけれど、そこそこよく歌えたので、まあ満足している。点数の方は少し高かった。

 以来、この二人とカラオケに行ったときは、Gacktの『Journey though the decade』を一人ずつ歌うのが定例となっている。


 交互に歌って聴き比べたり、その曲についての話題で盛り上がったり。友達や知り合い同士で知っている曲があるのは、やっぱりいいものだ。

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