『未完の資本主義』を読む
コロナ禍でなんとなく「これからは資本主義じゃ無理じゃないかなぁ」と思っていたところ、タイミングよく手元にやってきた図書館本。
資本主義のゆくえを、さまざまな学者にインタビューしています。
クルーグマン
安倍内閣の経済理論の支柱となっているリフレ派。今後必要となるのは「全分配」としての賃金、「再分配」としてのベーシックインカムなどだ。
フリードマン
フラット・ファスト・スマート化した社会で必要なことは、生涯学習者であり続けることだ。
デビッド・グレーバー
AIやリモートが進んでいくと「無駄な仕事」が顕在化する。現在は無駄な仕事(管理職)などに賃金が高い傾向があり是正が必要だ。その一つがベーシックインカムだろう。
トーマス・セドラチェク
資本主義を信じよう。だれもがやりたいことをして暮らせる時代が来ている。
タイラー・コーエン
AIが仕事を奪うのではない。AIは新しい仕事を作り出し、古い仕事を排除するのだ。
ルトラ-・ブレグマン
ベーシックインカムについての議論を本格的にはじめるべきだ。
ショーンベルガー
資本主義は、従来の貨幣中心市場からデータ資本主義へと移行する。データマッチングこそに価値が出る。
どの学者も「資本主義は変わらない」というスタンスで話していました。しかし資本主義は変容します。AI、データ、格差。これから数年の間に、これらの歯車が一つ二つ進むことは確実ですね。