書かれた顔
アマプラで見た。ダニエルシュミットが坂東玉三郎を撮ったドキュメンタリー。すばらしかった。シネフィル氏のおすすめはハズレたことがない。
感想をメモしながら見て、あとでまとめようと思ったのですが、まとめても意味わかんなくなりそうなので、以下、支離滅裂なまんま垂れ流します。
男性の方がパブリックに己を放ちやすいのかもしれない。
女性は放たれたものを見る力がある。良いものを体が知っている。
フィルムの湿気がダダ漏れ。いつまでも時間を引き伸ばして見続けたくなる。
この頃の映像はフィルムの中に湿気があった。今はデータだから湿気がない。
湿気は、言葉と意味の中に挟み込まれている。過去は丁寧に折りたたまれ、適度な湿度を保っている。
カラカラした老婆の匂いがお香の生々しさで中和されている。
尻と背中の延長に過去がある。その中間には着物の帯がある。
何層にも隠蔽される匂い。過去の蓄積。着物は美しさを型で隠す。
型のバリアが無限の想像の引き金になる。
フィルムの映像は粒から粒へと移動する。
映像の粒は水の粒に似ている。
旅情は封入された追憶の総量で決まる。
音そのものであるSP盤を両手に踊る玉三郎。
青は緑に飲み込まれ、赤はオレンジに飲み込まれる。
色は褪せた側にジワジワと引っ張られる。退色。経年変化。
現在を満喫するほど過去が濃くなる。
主観を諦めた、徹底的な一人称的客観。
現実にそれが流出すると不思議な甘い毒性を放つ。
虫となった男はそれに怯み、敗北する。
崩壊する様を隠さないことでようやく、対象はこちらを向く。憐憫が発動する。
以降、対称性は保たれたまま、役割が逆転する。
思い返すことなら、男でも女でも関係なくできる。
最も輝いていた時を都度思い返す行為に性差はない。
肌寒さは女性表現に欠かせない。
どんどん体温が失われてゆくのは、儚さを呼ぶ減衰そのものだ。
その中だけの価値観に溺れる。
翻弄されることを許し、異界にいるのがことごとく味わい深い。
夢は覚めないで欲しい。夜の灯りがアナログだった頃の空気の橙。
蜜柑と同じ吸引力。蝿としてそこに集い、それを見る。
できるだけ生の感想を試しに残してみるのもいいかと思い、そのままコピペしました。これでいいのか。まあいいか。