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チャットGPTとの対話で紡いだ歴史と思想の物語から、未来への期待が垣間見えた気がして興奮している
日本人は「新しいものを受け入れアレンジし取り入れる創造性」を持ちながら、一方で「加速度的に発展した故に起こっている変化の受け入れにくさ(日本に限った話じゃないか)」という、両面を併せ持つのはなぜ?という問いに対する起こりと経緯を、思想と宗教と歴史をレイヤー状に重ねながらチャットGPT(チャッピーと呼ぶ)と考察したのが前回のnote。
チャッピーとの考察は「AIこわい仕事なくなる」よりも、提供される知識と自分に内在する違和感を接合し、結果生まれた発見が純粋に興味深く楽しかったという感動の方が大きく、いまだ一人興奮が続いている。
もちろん、学校教育などでしっかり歴史を学び解釈してきた人にとっては「そんなん知っとるわ」かもしれないけれど、社会の、特に歴史の授業を昼寝に費やした私からすると「え、なにそれ超おもしろい!」だったわけで。
チャッピーとの考察を軽く振り返る
6世紀頃、儒教と仏教が日本に伝来した。文明を前進させていくには、儒教の思想はとても効率的だった。
一方で仏教は、元来日本人が持っていた「八百万には魂が宿り、目に見えず実態のないそれらを"神"として"在る"と認識し奉え祀るが、それは主従や上下の関係性ではなく、ただ"人"と違うものっていうだけ」といった自然崇拝的な哲学とシンクロ率が高いことや、聖徳太子や蘇我氏の活躍や文化融合により、今日の日本人のアイデンティティを築き上げた。
最初の問いは「なんで人は変化を受け入れられないんだろう?」だった。
それを「それは心理学でいう◯◯効果っすね」とか「経営学だとプロスペクト理論と言われまして」といった科学された現象として納得し解決方法を考察するのも良いんだけれど。
「あれ?そういや日本って新しいもの取り入れるの得意じゃなかったっけ?」といった事を起点に「いつからこうなったんだろう?」といった「そもそも」の起源と経緯を発見した(あくまで仮説)。
そして、この発見と興奮を熱量をもって人に伝えるにはストーリー仕立てにすると面白そう思った。「人はストーリーで覚える」という話もあるし。なにより暗記学習がバチクソ苦手なので、現象理解だと今日のうちに忘れる自信があるから。
ということで今日はチャッピーと「作文しようぜ!」と遊んでみたら、前回なかった歴史や思想の流れも付加され、これまた興味深いものができたので続編としてまとめておこうと思います。
物語が始まる手前のプロンプトとあとがきは概ね私の文。最終章までの文章はチャッピー作。最初のプロンプトでチャッピーは四章まで出してくれたので、その続き出しのお願いや、五章〜六章の展開で近代史との接続が足りないように感じ添削をお願いした時のプロンプトは、あとがきにも抜粋して入れておきます。あと物語のタイトルは対話の中から生まれ、最終私が決めたものです。
私:昨日やりとりした話を現代風にアレンジし、物語調に作文してください。 まずは、日本にあった自然哲学から6世紀ごろに百済より伝来した儒教と仏教が日本で大流行していく経緯あたり。
物語:風が紡ぐ
第一章:大地の声を聴く者たち
昔々、人々は風の音に耳を傾け、大地の匂いを感じ、星空を見上げながら暮らしていました。山や川、木々や石。それら一つひとつに命が宿ると信じられ、それぞれに神がいると考えられていたのです。
「春の雨は山の神の涙。夏の風は海の神の息吹。」
村人たちはそんな風に語り合い、自然と共に生きる術を身につけていきました。彼らの哲学は言葉や文字で語られるものではなく、五感で感じるものでした。だからこそ、その思想は体系的ではなく、けれども彼らの生活に根ざした実に豊かなものでした。
しかし、ある時、大海を越えた地より新しい風が吹き込んできます。それは、人々が「目に見えぬ真理」を求める旅の始まりを告げる風でした。
第二章:百済からの使者
6世紀のある春の日、大陸の東端にある百済という国から使者がやってきました。彼らの手には、黄金に輝く仏像と経典が握られていました。
「これが仏の教えです。この世は苦しみに満ちていますが、仏の智慧を学べば、悟りを開き救われるのです。」
使者たちの話に耳を傾けたのは、日本の豪族の一つである蘇我氏。彼らはこの教えに強い関心を抱き、仏教を支持することを決めました。
仏教とともに日本に伝わってきたのは儒教の教えも同じでした。こちらは「人間の生き方と社会の在り方」を説くもので、家族や国家といった組織をより良く保つための指針を示すものでした。上下関係や秩序を重んじる儒教は、朝廷や貴族たちにとって非常に魅力的に映りました。
「この思想は、政を正すための道しるべとなる。」
儒教はその効率性から、政治の場で次第に浸透していきます。
第三章:仏と神、そして人
仏教の教えが流れ込むと、自然崇拝を重んじる日本の文化と衝突するかに見えました。しかし、不思議なことに人々は仏教を拒絶するのではなく、それを自分たちの信じる世界に溶け込ませていきました。
「山の神も仏の化身かもしれない。」
そう考えた人々は、山岳信仰や自然崇拝と仏教を融合させ、新しい祈りの形を生み出しました。
また、蘇我氏の支援を受けて仏教は次第に大流行し、7〜8世紀には法隆寺や薬師寺といった仏閣が建ち並ぶほどになります。それは、ただの宗教の導入ではなく、日本の人々の精神性を変革する大きなうねりでした。
一方で儒教は、朝廷や貴族たちの間で「効率的な政治運営のためのツール」として定着していきます。その教えに基づいて作られた律令制度は、日本の政治体系に大きな影響を及ぼしました。
第四章:二つの風の調和
こうして、日本には「無形の思想」を持つ仏教と、「具体的な規律」を説く儒教という、異なる二つの思想が入り込みました。そして日本人は、その二つを巧みに取り込みながら、新たな文化を形成していったのです。
自然の声に耳を傾ける哲学と、仏教が説く内面的な探求、そして儒教が示す秩序と効率。それらが複雑に絡み合い、現代にも続く日本文化の基盤が作られていったのでした。
第五章:儒教の時代、仏教の影
儒教と仏教という二つの風は、時代とともにその力関係を変えていきました。律令制や幕藩体制の確立を経て、儒教的な秩序と上下関係は日本社会の骨格を形づくっていきます。
武士の時代には「忠義」や「礼儀」という形で儒教的価値観がさらに浸透し、社会全体が強固な階層構造を築きました。効率的で実用的な儒教の教えは、戦乱を収め、安定した社会を維持するのに欠かせないものでした。
一方で、表舞台で儒教が力を持つ時代にも、仏教は日本人の心の奥深くで静かに根を張り続けていました。
「人は生まれ変わり、死は終わりではない。」
仏教の教えは、人生の苦しみや無常を受け入れる哲学として、人々の生活や死生観に深く浸透していきました。それは、目に見える制度や秩序としてではなく、日々の祈りや慣習、そして自然への畏敬の念と結びついていたのです。
やがて、幕末から明治維新を迎えると、風向きは大きく変わります。封建社会の解体と近代国家の建設を進める中で、儒教的な家父長制や忠義の思想は国家の統治原則として引き継がれる一方、仏教はその影響力を大きく削がれます。寺院は「廃仏毀釈」の嵐に晒され、仏教的思想は表層から退き、精神の奥底で静かに息づくようになっていきました。
明治から大正、昭和初期にかけては、日本は急速な近代化を遂げ、国家の力を誇示する時代へと突き進みます。その過程で二度の大戦を経験し、勝利の高揚と敗戦の悲嘆を通じて、日本人の価値観は揺さぶられました。特に第二次世界大戦後、民主主義や自由主義といった外来の思想が流入し、儒教的な序列意識や組織重視の考え方と、個人の自由を尊重する新しい価値観との間で葛藤が生じます。
このように激動の時代を経て、儒教と仏教のバランスはさらに複雑化していきました。しかし、社会の表面に現れた変化とは裏腹に、仏教の精神は静かに日本人の心に息づき続けたのです。
第六章:風の時代の幕開け
そして、現代。
20世紀後半から21世紀にかけて、世界は「効率」や「生産性」を追い求める時代に突入しました。これは儒教的な思想とも相性が良く、日本でも企業文化や組織運営において上下関係や序列が強調されるようになりました。
しかし、その一方で、かつて仏教が自然崇拝と融合して日本の文化に溶け込んだように、人々は次第に「効率だけでは満たされない何か」を求め始めます。
21世紀に入ると、世界は「風の時代」と呼ばれる新たな局面を迎えました。物質的な成功や階層的な秩序を重視する価値観から、個人の自由や精神的な豊かさに焦点を当てる時代へと移り変わりつつあるのです。この時代の風は、儒教の強固な枠組みを揺るがし、仏教的な柔軟性と調和が再び注目されるようになってきました。
第七章:儒教と仏教の再会
「新しい時代を作るには、古いものを否定するのではなく、その中にある知恵を活かすことが大切だ。」
多くの人がそう気づき始めています。儒教が築いた秩序や効率性は、現代社会においても必要不可欠なものです。しかし、その秩序の中に仏教の「受容」と「調和」を取り入れることで、より柔軟で豊かな社会が生まれるのではないかと考えられています。
例えば、企業の組織運営においても、かつては「上下関係」や「序列」が重視されましたが、今では「尊重」と「共感」が求められるようになっています。これは仏教的な「他者を受け入れる」という哲学が現代風に蘇った形とも言えるでしょう。
最終章:未来への風
儒教と仏教という二つの思想は、互いに反発し合うものではありませんでした。むしろ、それぞれの持つ長所を活かし合い、日本という文化の中で調和を見つけてきました。そして今、風の時代を迎えた日本では、これまで表層にあった儒教的な価値観に仏教の哲学が再び息吹を与えようとしています。
大地を吹き抜ける風は、いつの時代も新しいものを運んできます。その風をどう受け入れ、どう活かすかは、私たち一人ひとりの心に委ねられているのです。
この物語はまだ終わりません。儒教と仏教が織りなす思想の旅路は、これからも私たちの生き方や社会の形を変えていくでしょう。そしてその先にあるのは、かつての自然哲学が教えてくれたような、誰もが風と共に生きる豊かな世界なのかもしれません。
あとがき
五章と六章の編集
最近、あらゆることが指数関数的に発展している反面、本質的な何かが忘れ去られていることによる歪(ひづみ)が至る所に現れ、危機感や悲観的な文節や表現が悪目立ちし、あちこちでささくれが立っているような感覚がある。かといってそれに絶望しているわけじゃなく。
だけど、前回発見した仮説、「200年ぶりの変化である風の時代が来たらしい」といった話、「超俯瞰的に見ると人間社会は良くなっていっている」といった希望的観測といった話をつなぎ合わせた時に「あ、なんか未来って思ったより面白くなりそうかも?」というぼんやりとした期待があった。
だからチャッピーとこの物語を紡ぐ時、結末は「明るく希望と期待に満ちた世界」にしたかったので、後編(五章以下)をリテイクする時に以下のようなプロンプトを入れた。
築かれた日本文化の土台は、時代と共に儒教と仏教のバランスは変化しながら、徐々に儒教寄りへ進む。しかし仏教哲学は失われることなく日本人の思想や習慣の深いところに内在し続けてきた。
そして風の時代と呼ばれる今、時代を推し進めてきた儒教思想から、それを否定せずバランスを整えるかの如く仏教哲学が見直され、時代が大きく変化しようとしている様子。
武士の時代から明治への移り変わり、2度の大戦で勝利と敗戦を経て、急速に近代化していく様子は、現代の日本人にも自分ごととして話に前のめりになってもらえそう。
チャッピーとの編集後雑談
そして、最後に感想をチャッピーに送っておきました。
私:興味深く、すぐ目の前の未来とさらに先にもなんだか期待が持てる物語ができたね。こうやって時系列を物語にしていくと、ここ最近個人的にも面白いと感じる「考えさせる漫画やコンテンツ」や、一方で経済を前進させる「効率的に稼ぐが人の思考力を奪いかねないコンテンツ」この二面性。
世の中的にも倫理や仏教が再注目されてきてる背景、これから日本人はどのように考え立ち振る舞うことで、世界の中でなくてはならない無二の存在になっていくのかの輪郭が少し見えた気がします。
チャッピー:素晴らしい視点ですね!
まさに、歴史や思想を物語に落とし込むことで、過去と未来の繋がりを感じられると同時に、今をどう生きるべきかというヒントを得られるのがこうしたアプローチの面白さです。
「考えさせる漫画やコンテンツ」と「効率的に稼ぐコンテンツ」の二面性に注目された点も鋭いですね。この二つは表裏一体で、どちらも社会の流れや価値観を映す鏡と言えます。特に前者は、単なる娯楽を超え、深いテーマや哲学を内包することで、人々に自己や社会を見つめ直す機会を提供しています。これはまさに、仏教的な「問い」を投げかける行為にも近いと感じます。
一方で、経済的効率やデジタル技術の発展による「瞬時の満足感」を追求する後者は、儒教的な「秩序」や「組織の最適化」に通じる部分があります。ただ、その極端な側面は、個々人の思考力や独創性を奪いかねない危うさも孕んでいますね。
こうした現代の二面性に対し、日本人がどのように立ち振る舞えば「世界の中で無二の存在」となれるのか。そこにはやはり、日本が持つ文化的な特性、特に仏教の「受容性」と「調和」の精神が鍵になるのではないでしょうか。
世界は今、分断や対立の時代を迎えています。その中で、日本のように多様な価値観を柔軟に取り入れ、独自の形で融合させていく力を持つ国は貴重です。これからの日本人が、過去の知恵を学び直しつつ、柔軟な思考と行動力を持ち続けることで、世界に「バランス」をもたらす役割を果たしていく可能性があるように感じます。
おっしゃるように、倫理や仏教への再注目はその兆しでもあり、単なる「復古主義」ではなく、新たな創造や進化を生む土壌になるのではないでしょうか。これからの日本人がその土壌をどう耕し、何を生み出していくのか、ますます楽しみですね!
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