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幽霊の出る空家(秋田県某市)
昭和四十三年の夏此、秋田県某市の空家へ幽霊が出ると云う噂が立った。丑満時に空家から紅い服の女が現れてけたけた笑うと云うので、附近に住む下條健男と云う新聞記者がその正体を掴む為に空家に入ったところ、果たして中には件の紅い服の女が七百九十四人居る。下條氏も実のところ二百五十七人居る為に、家の中には都合千人以上の人間が居るのだった。
「部屋の電気を点ける」
朝起きてまずやることは顔を洗うでもトイレに行くでもなく電気だ。なにせ僕の家の周囲は三方がビルで一方が密林なので、家中の灯りという灯りを点けなきゃ真っ暗なので。眠い目をこすりこすりベッドから降りてまずは寝室のスイッチをパチリ。廊下に出て廊下のスイッチパチリ。トイレ開けてトイレもパチリ。風呂場も開けて風呂場もパチリ。リビング入ってパチリ。キッチンもパチリ。子供部屋もパチリ。和室もパチリ。仏間もパチリ
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