百壁ネロ

ヒャッカベネロ。小説家。日本推理作家協会会員。近著は「轟運探偵の超然たる事件簿 探偵全滅館殺人事件」(星海社FICTIONS)。だいたい荒唐無稽な小説を書きます。

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ヒャッカベネロ。小説家。日本推理作家協会会員。近著は「轟運探偵の超然たる事件簿 探偵全滅館殺人事件」(星海社FICTIONS)。だいたい荒唐無稽な小説を書きます。

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  • 村松甚太郎のすべて

    およそ連続掌編・村松甚太郎シリーズ。

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10/17、約10年ぶりに小説の単著新刊が出ます。

タイトルの通りなのですが、若干お恥ずかしい話ではあるものの、小説家デビュー作である2014年刊の「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社BOX)以来、約10年ぶりとなる単著の新刊が刊行される運びとなりました。 『轟運探偵の超然たる事件簿 探偵全滅館殺人事件』 というタイトルです。 星海社さんから、10月17日の発売です。 持ち前の運だけですべてを解決する「轟運探偵」が、助手の女子高生探偵「努力探偵」と共に、孤島の館で起きる連続〝探偵〟殺人事件に挑むという、特殊設

    • 絹島未々乃、村松甚太郎の最大最高最上最良最適最悪最低最愛最強最新最盛最善最終最終最終出力、を最低入力。

      だっっっっっっっっっっっっっっりいいいいいいなあああああ大学、次の講義もうサボって帰ろかな「ま、なんだかいろいろ喋っちゃったけど結局僕が言いたいのは、人生最高最大最低、いろんな人間が生きていていろんな人間が死んでいく、出会い、別れ、別れ、出会い、」いやなにこいつ誰、なんだかいろいろ喋っちゃったけどじゃなくて誰、てか違くてメガネでかくない????? 修行????? 耳と鼻鍛えてる??????「生きていかないという選択。危険、祈祷、起算。絹島さんもそう思うよね??????????

      • 村松甚太郎、最大最高最上最良最適最悪最低最愛最強最新最盛最善最終最終最終出力。

         ま、なんだかいろいろ喋っちゃったけど結局僕が言いたいのは、人生最高最大最低、いろんな人間が生きていていろんな人間が死んでいく、出会い、別れ、別れ、出会い、なんか思うんだけど別れのほうが出会いより多くない????? 実際出会うことより別れることのほうが、悲しみにあふれ、喜びは減り続け、ゆるやかに生きていくその言の葉のシャワー、だいたい思うんだけど人間みんないろいろいろいろ考えすぎじゃない????? 考えないという選択。生きていかないという選択。危険、祈祷、起算。絹島さんもそう

        • 村松甚太郎、最大出力。

           ま、なんだかいろいろ喋っちゃったけど結局僕が言いたいのは、僕たちがたゆたうこの人生ってやつは実に、実に大変だってことなんだよね。絹島さんもこの大学生活っていう緩慢な大河の流れの中で、そう思うことも多いんじゃない? たとえば講義中に窓の外をふっと眺めて流れゆく白い雲の大きさにはたと気づいてしまったときとか。あっ今のはあれだよ、ミハエル・ウェンディナー著『もぐらたちの夕暮れ』からの引用。名著だね、名著中の名著。何度繰り返し読んだことか。実は僕、文庫版をいつでも鞄に忍ばせててね、

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        10/17、約10年ぶりに小説の単著新刊が出ます。

        • 絹島未々乃、村松甚太郎の最大最高最上最良最適最悪最低最愛最強最新最盛最善最終最終最終出力、を最低入力。

        • 村松甚太郎、最大最高最上最良最適最悪最低最愛最強最新最盛最善最終最終最終出力。

        • 村松甚太郎、最大出力。

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          こちらに応募(参加?)しました。文芸オープントーナメント。たぶん僕強いと思ってます。 https://note.com/p_and_w_books/n/n025d30c45c92?sub_rt=share_sb

          こちらに応募(参加?)しました。文芸オープントーナメント。たぶん僕強いと思ってます。 https://note.com/p_and_w_books/n/n025d30c45c92?sub_rt=share_sb

          お手軽かんたん!ホラー表現クッキング【エッセイ的な】

          文章ホラー表現あるあるの「たすけてたすけてたすけて」みたいなやつ、さすがにもう古典的すぎる気がして自分では間違いなく書かないんだけど、全然ホラーみ感じられない単語繰り返すんだったら結構面白いかなーの例を書いてみます 。 「ポン酢ポン酢ポン酢ポン酢ポン酢ポン酢」 「東海道中膝栗毛東海道中膝栗毛東海道中膝栗毛東海道中膝栗毛東海道中膝栗毛」 「棒グラフ棒グラフ棒グラフ棒グラフ棒グラフ棒グラフ」 「梅水晶梅水晶梅水晶梅水晶梅水晶梅水晶梅水晶」 何を繰り返させても基本「それに

          お手軽かんたん!ホラー表現クッキング【エッセイ的な】

          長い遺書

          「この世の理をここに書き記す」  祖父の遺書は、そんな書き出しから始まっていた。だから僕は、読むのをやめた。

          ゲームの女王

           同じクラスの華丘睡蓮は、ゲームというゲームに負けたことがないという噂の女子だった。  チェス、ウノ、オセロ、人生ゲーム、囲碁、将棋、ババ抜き、七並べ、神経衰弱、王様ゲーム、人狼ゲーム、脱出ゲーム。  でも、彼女と一緒にゲームをしたことがあるという人は、誰もいない。彼女はいつでも一人だった。

          ゲームの女王

          ージナエドリンク

           新発売のエナジードリンクは『逆に』効くらしい。  さっそく買って一口飲んでみたが、みるみる内に体が気だるさに支配され、まったくなにもやる気がなくなり、部屋の床で大の字になってしまった。三日間も。一口で。

          ージナエドリンク

          彼の生きる道

           同じクラスの知田村床太郎、通称・ちた君は、とてつもなく真面目で現実的で、それ故にこれから先をどう生きるか、中学二年生にしてすべてを完璧に決めているらしい。 「僕は、無難に生きるよ。死ぬまでね」  そんなことを真顔で言う。  とにもかくにも、そう生きるらしい。

          彼の生きる道

          クロワホリックさん

           朝、起きてすぐに僕はスマホでクロワッサンの画像を検索する。数十分。毎日。それで会社に遅刻することもざらだ。会社でも仕事中にそわそわしてしまって席を立ち、トイレの個室に入ってスマホでクロワッサンの写真を眺めてしまう。五分ぐらい。頻繁に。  どうしようもない。中毒なんだ、クロワッサンの。ここで言う「クロワッサン」は別に何かの隠語とかじゃなく、普通の、みんなが知ってるあのクロワッサンだ。あの、さくさくで、ふわふわで、もちもちで、甘い、甘い、甘い、あの……。だめだ、トイレ行こ、今帰

          クロワホリックさん

          幽霊の出る空家(秋田県某市)

           昭和四十三年の夏此、秋田県某市の空家へ幽霊が出ると云う噂が立った。丑満時に空家から紅い服の女が現れてけたけた笑うと云うので、附近に住む下條健男と云う新聞記者がその正体を掴む為に空家に入ったところ、果たして中には件の紅い服の女が七百九十四人居る。下條氏も実のところ二百五十七人居る為に、家の中には都合千人以上の人間が居るのだった。

          幽霊の出る空家(秋田県某市)

          運命のひと

           日倉さんは運命を信じている。  この世のどこかに「運命の相手」がいるというのはもちろん、「運命の場所」や「運命の時間」もあるし「運命のパン」や「運命のバイト」や「運命の死に方」だってきっとあると信じて、日夜、夢想している。  ちなみに運命の死に方は、風呂での溺死だそうだ。  さて、それと関係あるかはわからないが、日倉さんの趣味は温泉旅行と銭湯巡りである。

          なにもない

           目が覚めるとそこは、なにもない空間だった。  天井もない。壁も床もない。家具の類ももちろんなくて、僕の体もそこにはなかった。

          恋する法則

           好きな人ができた。  彼の名前は、ジョン・アンブローズ・フレミング。  そう、フレミングの法則で有名なあのフレミングだ。  偉大な法則を示すその左手と右手で、思いっきり抱き締められたい。それが私の願いなのだ。フレミング、もうだいぶ前にこの世を去ってるけど……!

          逆転の日

           その日、世界が真っ逆さまになった。海は水が落ちてからっぽになり、僕の家族はみんな空へと消えていった。