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タワーリングインフェルノ

138階建ての超高層ビルの落成式当日に火災が起こるパニックムービー。1974年の作品なので、2023年の今観るとさすがに古く感じます。それでもハラハラしながら鑑賞できるのは、作品としての完成度が高い証なのでしょう。
この作品は、20世紀フォックスとワーナーブラザーズの合作で、スティーブ・マックイーンとポール・ニューマンの主演です。面白いのはエンドロール。クレジットでそれぞれの扱いに苦慮した結果がにじみ出ています。英文は左から読むので、左側が最初に観客の目に留まりやすく、序列も上位と考えられています。その場所にはスティーブ・マックイーンの名前があります。一方で、その少し上の右側にポール・ニューマンの名前が。視覚ではマックイーンが上位だが、冷静に縦位置の序列をみるとポール・ニューマンが上位という構成なのです。結果として、視聴者はどちらが高位かわかりません。日本の映画やドラマでも、特別出演や友情出演などの注釈をつけることでバランスをとるのが良くある手法ですが、目的は似たようなものでしょう。これくらい名前のある二人になると、本人たちの意思とは無関係なところで、所属事務所同士のプライドも絡み合う様子を勝手に想像してしまいます。絶妙かつ奇妙な解決案を作り出した制作陣に敬意を表したいと思います。余談ですが、日本公開当時のポスターに書かれている名前はスティーブではなくスチーブなんですね。時代を感じます(笑)。

第47回アカデミー賞において、撮影賞、編集賞、歌曲賞を受賞しています。撮影賞受賞は納得できるほどの特撮です。特に火災から逃れる人が落下するシーンは、2001年のNY同時多発テロと重なるものがあり、リアルな出来上がりになっています。

作品鑑賞中は歌曲賞と言われてもピンとこないくらい、あまりインパクトを感じませんでした。改めて聴くといい曲ですね。


ちょっと間延びした感もありますが、スリリングな映画を観たいときにおススメの作品です。


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