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『あの日、松の廊下で』
やふぅー٩( 'ω' )و
今回は、読んだ本の感想を書きます。
白蔵盈太 『あの日、松の廊下で』 (文芸社 、2021)
一体なぜ、赤穂義士伝(忠臣蔵)は起こったのか。
それは、本書を読むと理解出来ると思われる。
忠臣蔵にも疎い私が、本書を読んだ感想を書きます。
この話は、旗本・梶川与惣兵衛(与惣兵衛)の視点で書かれる。
事件の前後、その只中。
これらの時に与惣兵衛視点で、誰が何を言い、何を考えたのかを知ることが出来る。
登場人物のメインは、やはりこの3人。
浅野内匠頭(35歳)
吉良上野介(61歳)
梶川与惣兵衛(55歳)
わざわざ年齢を書いたのは、今まで想像もしなかった年齢を知ることによって、「殿中でござる」と言いまくった与惣兵衛に同情するからだ。
この当時の寿命などは知らないが。
浅野内匠頭だけ、血気盛んな年齢なのだろうか。
なぜだ?
浅野内匠頭と吉良上野介が、きちんと対話していれば良かったじゃないか。なぜ、すぐに抜刀するんだ。
なぜ、言葉を用いない。
与惣兵衛の重荷というか、今も大して変わらないんじゃないかと思われる、
中間管理職的な立場。
読んでいて、シンプルにつらい。
本書の最初に書かれる、与惣兵衛が日記に何と書くべきかと悩んでいる様子。
浅野内匠頭が汚い言葉で罵ったことも書けず、言い換える言葉を考える。
そんなところに時間を費やす。
というのも、この言葉が発せられたのは松の廊下だからだ。
浅野内匠頭(35歳)
吉良上野介(61歳)
今でいう会議の場があったとしても、きっと、この二人の話は永遠に平行線なのだろう。
この二人が会議を重ね、熱くなるほど、与惣兵衛がその場に切込隊長していくのだろう。
「お茶です!!」と、勢いよくドアを開けて会議中の部屋に駆け込むのかもしれない。
”たったこれだけ”の報告
畳をかえよ!!(900両より高くなるぞ)
時刻が早まったぞ!!
全てが、ばからしい。
けれども、このばからしい事のために一体何人犠牲になるんだ。
本書の最後に書かれているけど、これから浅野内匠頭の敵討に47人の物語が始まる予定だ。
うわー、やめとけって(話が成立しなくなるとかはともかく)
この話、どこまで本当なのかは知らない。
けれども、これが現実であっても、あまり驚かない。
殿中でござる!!
ならば、今の時代だと
職場(場)でござる!!(会議中でござる!!)
だろうか。
ライブじゃなければ、編集してカットされるかモザイクがかかるか。
事件の後、与惣兵衛の思いがつらつらと書かれていくが、まったくもって同意する。
どこまで本当かともかく、与惣兵衛の「やれやれ、はーあ(ため息)」感が、現代を生きる私には理解しやすく、読みやすい。
とはいえ、この後『討ち入りたくない内蔵助』が控えているので読む。
話自体は相変わらず読みやすく、テンポもよく、事件までのカウントダウンも書かれているので、挫折することなく楽しんで読めた。
何やってんだ、ばからしい。
そう思いながら書いてきたけれど、話は非常に面白い。
ばかだなーと言いつつ、私も外に出れば内心「殿中でござるううう(頼むから黙れよ)」と思うことが多々ある。
さて、仇討ちやいかに?!(&私はどう思うのだろうか)
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