Story of neoAI#1 「国家公務員からスタートアップへ 生成AI業界へ挑戦した理由」 髙橋睦生
はじめに
みなさんこんにちは!
株式会社neoAIの髙橋睦生(たかはし むつき)と申します。
新コーナー ”Story of neoAI” 第1弾は、国家公務員として中央省庁に勤務した後、2024年6月からneoAIに入社した髙橋のストーリーをご紹介させていただきます!
このコーナーでは、neoAIの社員たちが歩んできた道のりや、これから描いていくキャリアの展望を、自身の言葉で紡ぎお届けしていきます!”Story of neoAI” を通じて、私たちの“これまで”と“これから”のリアルな物語を共有し、読者の皆さまに新たな発見や共感を感じていただければ幸いです。
今回は、公務員から東大発生成AIスタートアップという、私の異色の経歴とneoAIへの転職に至った想いをお話したいと思います。
neoAIに入るまで
国家公務員時代
私が国家公務員を選んだのは、「多くの人の役に立ちたい」という自身の行動原理に基づいています。「公益に資することができれば、数えきれないほど多くの人の役に立てるのでは?」と考え、国家公務員の道を選びました。入省後は、給与、社会保険、予算編成などを中心に、多岐にわたる業務に携わらせていただきました。3年目には、通常業務に加えて社内プロジェクトへの参加など、「やりたいこと」を可能な限りやらせてくれる、温かい職場でした。前職の同僚とは今でも頻繁に交流があります。
なぜ、そんな良い職場を退職したのか?周囲からは「事務方の公務員からAIスタートアップに転職するなんて勇気があるね」と言われることもあります。知人だった寺澤から誘われたのがきっかけで、CEOの千葉と初めて話した時、「生成AIの力で日本を変えていきたい」というようなことを聞いて感銘を受け、neoAIで働くことでより多くの人の役に立てると確信しました。その背景には、以下に述べる経験からくる大きな課題がありました。
生成AIとの出会い
まず、私がAIを使い始めたころの話をさせていただきます。私にとってAIが身近になったのはChatGPTが登場した2022年10月ごろです。この記事を読んでいる方も私と同じ時期にAIに触れた方が多いのではないでしょうか?要件さえ伝えればAIが人間以上に仕事をしてくれる。AIは「何でもできる呪文」くらいの認識で世間に注目されていたと強く印象に残っています。
当時の私は入省2年目で、独学でExcel VBAを習得し、業務で活用し始めました。コード生成も可能と噂に聞いて、試しにコードを書かせてみたりしたのですが、これが全然うまくいかなくて(笑)エラーがでたコードの修正を指示しても改善しないし……。全く使いこなすことができませんでした。AIとはそんな最悪の出会いを果たしたわけですが、しばらくすると“プロンプトエンジニアリング”という言葉が普及し、AIに書いてもらったコードがエラーを吐きづらくなっていきました。AIの発展速度に驚くとともに「これを現場で実装できたら大きなインパクトがあるのではないか」と期待に胸を膨らませました。
業務効率化の実践と気づき
自動化によって時間短縮を実現できた例として、複数部署から提出されるデータを一つのExcelファイルに統合し、特定のフォーマットに変換する作業や、視覚的にわかりやすい一覧表の作成が挙げられます。これまで数時間かかっていた作業がすぐに完了するようになったため、一時的に大きな効率化を果たすことができました。一方で、個人による効率化は、汎用性に欠けているなど欠点もありました。実際に、私が異動になった後、後任の職員は私が作成したツールを持て余してしまっていたようです。個人の力による効率化は、その個人の範囲内では有効かもしれませんが、組織全体への定着、効率化には繋がりにくいということを痛感した瞬間でした。
企業でのAI利活用における大きな課題
一つ目は、ツールや仕組みに「汎用性」を持たせる必要があるということです。特定の個人の業務に特化したものではなく、組織内の他部署や他職員が利用できる共通のフォーマットや操作方法、分かりやすいドキュメントが不可欠です。これがなければ、一時的な効率化に留まり、組織全体の生産性向上には繋がりません。私が作成したツールは、後任者が使いこなせず、長期的な改善には寄与しませんでした。つまり、汎用性のないツールはその場では最適解に見えても、長期的には組織の足枷となり得るのです。
二つ目は、組織全体で効率化を成し遂げるためには、「旗振り役」となる存在と「推進力」が不可欠だという点です。個々の職員がそれぞれ効率化を試みても、その取り組みは限定的な範囲にとどまり、全体への波及は難しくなります。個々の努力は重要ですが、それが組織全体の方針と整合していなければ、効果は限定的です。共通の目標に向かって組織を一枚岩にするには、方針を示す「旗振り役」と、具体的な施策や課題解決を素早く実行する「推進力」が必要となります。たとえば、施策提案や課題の吸い上げ、解決策の検証といった活動を迅速かつ継続的に行える体制や役割が求められるのです。こうした「旗振り役」と「推進力」が効果的に機能すれば、効率化は組織全体へ波及し、持続的な成果が生まれます。
私がneoAIで“より”多くの人々に貢献できると考えたのは、neoAIがまさにこの「旗振り役」と「推進力」の両方を担えると確信したからです。neoAIの一員として、多くの企業に生成AIを導入・定着させることで、その潜在力を最大限に引き出すためには、人間側の適切な活用が欠かせません。neoAIはプロダクト提供から施策の提案・実施までを一気通貫で支援できるため、「旗振り役」と「推進力」を兼ね備えた存在として、組織全体の効率化と成果創出に貢献できると考えています。
neoAIに入ってから
neoAIの印象
neoAIの印象を端的に表すなら「技術革新に貪欲なプロフェッショナル集団」です。既存の技術に縛られることなく、積極的な議論や検証を重ね、新たな技術で有用だと判断したものは即座に実装するスピード感が、組織全体に根付いています。また、人事配置や採用施策の柔軟な見直しを行うなど、「鉄は熱いうちに打て」という精神で、常に形を整えながら最高の状態を目指そうとする意識がメンバー全員に浸透しています。
例えば、7月に「Claude 3.5 Sonnet」が公開された際には、開発から実装までをわずか2週間で完遂しました。新機能追加に関する要望があった際にも、「クライアントが本当に解決したい課題は何か」「その要望で本当に課題が解決できるのか」「要望された機能の優先度はどの程度か」といった論点を、関係者全員が納得するまで徹底的に議論します。
現在は最新モデルである「o1」の実装を、ユーザーが最も利用しやすい形態を模索しながら開発を進めています。neoAI Chatに限らず、その他のAIソリューション開発においても「あと1%精度を向上させるにはどうすべきか」といった議題が日々オフィス内を飛び交っており、別のアプローチ方法はないか模索し続ける姿勢が度々見受けられます。こうしたスピード感やギークな柔軟さは、前職では得られなかったスタートアップ特有の大きな魅力であると感じています。
転職への不安
現在、私は自社プロダクト「neoAI Chat」のデリバリーを担当していますがChatGPTすら上手に使いこなせていなかったくらいだったので、AIスタートアップに転職することになるとは新卒の当時は全く想像していませんでした(笑)
安定した職からの初めての転職であること、中途入社であること、分野・職種が異なることなど不安だらけの転職で、当時は「馴染めないのではないか」「スキルセットが足りていないのではないか」など様々な心配が頭をよぎっていました。しかし、入社してからAIを基礎の基礎から学ぶことができ、何より「みんなで成長していこう」という社風から「最初から完璧でなくても良いんだ」と安心できました。また、常に新しいメンバーを迎え入れる雰囲気が会社全体にあるため、馴染めるかどうかといった私の心配は取り越し苦労で済みました。CEOの千葉、COOの寺澤をはじめとした全てのメンバーが自分の仕事を全力で楽しみながら働く姿を見て、日々刺激を受けていますし、同じ職場で働けていることを誇らしく思っています。
前職との違いと、実感したneoAIの使命とやりがい
転職してみて一番の違いを感じたのは自身に任せられる裁量の大きさです。様々な企業に対して、自分が「AIの専門家」として担当させていただくので、自身の行動が与える組織へのインパクトの大きさは前職と比べ物にならないほど大きなものとなります。ルーティンワークも多かった前職との違いに最初は戸惑いましたが、行動指針でもある「チームneoAI」の空気感は困ったときに相談しやすく大変ありがたかったです。
入社してから少し経ち、クライアントからneoAI Chatの精度向上に関する照会が来た際原因が特定できず苦労したことがありました。その際マネージャーの望月から「精度向上で困っていることがあれば聞くよ」と声をかけていただき、「どういったタスクを解きたいのか」「原因は判明しているか」「原因と考える事象に対してのアプローチは適切か」とヒアリングしていただきました。その結果、精度が上がらない本当の原因を特定でき、迅速に精度向上を果たすことができました。
デリバリーの速度はneoAIの大きな強みであり、neoAIが背負う責任でもあるため、この記事を書きながらも改めて帯を締め直すような思いです。大きな影響を与える役割だからこそクライアントから感謝の言葉をいただけた時には大変嬉しく思います。
ある不動産業界のクライアントへデリバリーした際、AIに広告文のたたき台を生成させるというミッションがありました。最初は、自身の力不足もあり精度が安定せず苦労しましたが、エンジニアやマネージャーとたくさん議論を重ね、試行錯誤したのを覚えています。最終的には新たなアプローチを提案することができ精度向上を実現することに成功しました。さらには「neoAIがいなくなったら業務に支障が出る」とまで言っていただき、代替不可の価値を提供することができたことで大きなやりがいを感じることができました。他にもビジネスマッチングイベントである展示会業務や営業では、現場であがる実務的な課題をヒアリングし、その場でソリューションを提案できたりするため、お客様の課題にダイレクトに応えられていると実感でき、前職ではなかなか得られなかったやりがいを感じています。
今後のキャリアについて
生成AIの技術はまだまだ発展していきます。私は技術と社会を繋ぐ架け橋のような役割を果たすべく、現在の生成AIで可能な最大のパフォーマンスをさらに多くの企業へ提供し、生成AIの社会実装を力強く推進していきたいと考えています。そんな私の目標を達成するべく、以下の二つを軸にキャリアを構築していきたいです。
プロジェクトを牽引できるビジネスパーソンへの成長
まずは私の信念である”より”多くの人の役に立つため、様々なプロジェクトを牽引できるようなビジネスパーソンになりたいです。neoAIで得られる知見を余すことなく学び、自身のスキルアップに励んでいきます。課題解決能力だけでなく、マネジメント力や企画力など様々なスキルを向上していきジェネラリストになれるよう意識してまいります。neoAIはやる気と実績次第でどこまでも自分を成長させることができるので、身近にいる人からどんどん学ばせてもらおうと思っています。
行政機関への貢献
生成AI活用が一般化された未来を創ること。これが私の抱く大きな野望の一つです。特に行政機関が効率化されることで業務範囲が拡がり、より多くの人々が質の高いサービスを享受できるようになると確信しています。前職で行政事務に従事していた経験から、行政機関が抱える課題やニーズを現場目線で深く理解していることは私の大きな強みです。徹底した現場目線での提案によって行政分野に大きな「風」を起こせるような人材となれるよう邁進してまいります。
最後に
neoAIの成長は止まりません。様々な企業と関わっていく中で中途社員が活躍できる場はさらに増えていきます。学生の方はもちろんですが、生成AIに関心があり、新しいことに挑戦したい、自分の力を試してみたいと思っている社会人の方が興味を持っていただけたら、大変嬉しく思います。neoAIは挑戦する人が成長できる環境があると自信を持って言えます!
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