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note利用者の〈特異な傾向〉

noteを始めて半月ほどになる。
もともとAmazonのカスタマーレビューとして掲載されたものの転載を主たる目的として始めたもので、その後、新たに書いた、いくつかの新刊書レビューは、Amazonとnoteの双方に、ほぼ同時掲載したりもしている。

すでに、かなりの数のレビューを転載しているのだが、ちょっと面白いことに気づいたので、メモがわりに書いておきたい。

それは、Amazonレビューに対する、閲覧者からの「役に立った」レスポンス(※  「イイね」に当たるもの)と、noteの「スキ」では、対象となるレビューの傾向が少し違っている、という事実である。

Amazonの方ではあまり「役に立った」が付かなかったものが、noteの方では「スキ」がけっこう付いたりする。当然、その逆もある。

いずれにしろ、まだnoteを始めたばかりで、フォロワーも一桁しかいないので、「スキ」がたくさん付いたと言っても、せいぜい10個くらいなのだが、それにしても、好まれる傾向の違いは明らかだ。

で、この違いが何に由来するものなのかと考えてみたわけなのだが、これはたぶん、Amazonの方のレビュー閲覧者は、レビューで扱った作家やその本に対し、好意や反発など、何らかの感情を事前に持っており、その立場からレビューを参照し、レビューを評価することが多いのではないか。
だから、好悪双方から広く注目を集めるような本の場合は別だが、普通は、否定的・批判的な低評価のレビューは、どうしても好まれにくい。つまり、褒めた方が、閲覧者に喜ばれやすいということだ。

しかし、私は、Amazonの手先ではないから、レビューを単なる紹介文や宣伝文として書いているのではなく、ひとつの独立した批評文として書いているつもりなので、誉めるときは褒めるし、批判するときは根拠を示して徹底的に批判する。
したがって、単なるこき下ろしレビューではないというところで、好意的に評価される部分もあるにはあるものの、新聞や雑誌の提灯レビューのごとき、わかりやすいものではないから、やはり一般には、あまり歓迎されないようなのだ。

ところが、noteの場合は、けっこう批判的なレビューに「スキ」が付く。
一方、わりとオーソドックスに褒めた、Amazonでは評判の良かったレビューに対しては、意外に反応が鈍い感じがする。

これはたぶん、noteの利用者の場合は「読み手」意識ではなく、「書き手」意識が強いからなのではないだろうか。
つまり、書き手として、刺激を与えてくれるようなレビューに反応して「スキ」を付ける。逆に、当たり前の肯定評価は、あまり自分個人には参考になりにくいから反応が鈍い、ということなのではあるまいか。

無論、どちらが正しいとか間違いだとかいう話ではないが、少し面白い傾向だと思ったので、私の考察と併せて、ここに紹介した。