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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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#映画感想文

オーソン・ウェルズ監督 『審判』 : ウェルズとカフカのミスマッチ

映画評:オーソン・ウェルズ監督『審判』(1963年・フランス映画) その「シャープで幾何学的…

年間読書人
12日前
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ロベルト・ロッセリーニ監督 『ドイツ零年』 : 少年の告発したもの。

映画評:ロベルト・ロッセリーニ監督『ドイツ零年』(1948年・イタリア映画) 「ヌーヴェル・…

年間読書人
3週間前
18

D・W・グリフィス監督 『イントレランス』 : ひと言でいうと「セットが凄い」映画

映画評:D・W・グリフィス監督『イントレランス』(1916年・アメリカ映画) 本稿のタイトルに…

年間読書人
3週間前
15

映画 『バニシング・ポイント』 : 北村紗衣の「消失点」

ぬ映画評:リチャード・C・サラフィアン監督『バニシング・ポイント』(1971年・アメリカ映画…

年間読書人
1か月前
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マックス・オフュルス監督 『忘れじの面影』 : 見返りを求めないという「美徳」

映画評:マックス・オフュルス監督『忘れじの面影』(1948年・アメリカ映画) 1948年だから、…

年間読書人
1か月前
14

アレックス・ガーランド監督 『シビルウォー アメリカ最後の日』 : 本当は「難解」…

映画評:アレックス・ガーランド監督『シビルウォー アメリカ最後の日』(2024年・アメリカ映…

年間読書人
1か月前
25

エリア・カザン監督 『エデンの東』 : 薄っぺらい「建前と本音」の逆転劇

映画評:エリア・カザン監督『エデンの東』(1955年・アメリカ映画) 本作は、なかなか評価の難しい作品であった。 というのも、エリア・カザン監督が、「ハリウッドでの赤狩り時代」に、「仲間を売った」ことで、映画監督として生き残っただけではなく、それを「恥じる」のではなく「開き直って自己正当化した」ために、当然の結果として、多くの映画人から「軽蔑・嫌悪」され続けた人であったというのを、私も知っているからだ。 そして、私自身も、そんなエリア・カザンが「大嫌い」だからこそ、この作

ドン・シーゲル監督 『ダーティハリー』 : さそり座の評論家・北村紗衣

映画評:ドン・シーゲル監督『ダーティハリー』(1972年・アメリカ映画) ひさしぶりに『ダ…

年間読書人
1か月前
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ジャン=リュック・ゴダール監督 『恋人のいる時間』 : 女がわからない。

映画評:ジャン=リュック・ゴダール監督『恋人のいる時間』(1964年・フランス映画) ひさし…

年間読書人
2か月前
15

ウィリアム・ワイラー監督 『ローマの休日』 : 『ローマの休日』論

映画評:ウィリアム・ワイラー監督『ローマの休日』(1953年・アメリカ映画) 「名作」の誉れ…

年間読書人
2か月前
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D・W・グリフィス監督 『國民の創生』 : 「映画の父」の深き呪い

映画評:D・W・グリフィス監督『國民の創生』(1915年・アメリカ映画) 悪名高き、歴史的傑作…

年間読書人
2か月前
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イングマール・ベルイマン監督 『第七の封印』 : 難解ではない。人間を描いただけで…

映画評:イングマール・ベルイマン監督『第七の封印』(1957年・スウェーデン映画) ベルイマ…

年間読書人
2か月前
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ロベルト・ロッセリーニ監督 『戦火のかなた』 : 「戦争の悲しみ」を描く 6つの物語

映画評:ロベルト・ロッセリーニ監督『戦火のかなた』(1946年・イタリア映画) すでにレビュ…

年間読書人
2か月前
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エリッヒ・フォン・シュトロハイム監督 『愚なる妻』 : エリッヒ・フォン・シュトロハイム論

映画評:エリッヒ・フォン・シュトロハイム監督『愚なる妻』(1922年・アメリカ映画) シュトロハイム監督の第3作で、モノクロ・サイレント作品である。 完璧主義の映画作家としてすでに高い評判を得ていたにも関わらず、本作に金と時間を費やしすぎて「こんなやつを雇っていたら、会社が潰れてしまう」と、ユニヴァーサル社をクビにされたという、そんないわく付きの作品だ。 ストーリーは、簡単に言ってしまうと「ロシア貴族になりすました女たらしの詐欺師が、アメリカの公使夫人をたらし込んで、金を