エリア・カザン監督 『エデンの東』 : 薄っぺらい「建前と本音」の逆転劇
映画評:エリア・カザン監督『エデンの東』(1955年・アメリカ映画)
本作は、なかなか評価の難しい作品であった。
というのも、エリア・カザン監督が、「ハリウッドでの赤狩り時代」に、「仲間を売った」ことで、映画監督として生き残っただけではなく、それを「恥じる」のではなく「開き直って自己正当化した」ために、当然の結果として、多くの映画人から「軽蔑・嫌悪」され続けた人であったというのを、私も知っているからだ。
そして、私自身も、そんなエリア・カザンが「大嫌い」だからこそ、この作