マフムード・ダルウィーシュ 『パレスチナ詩集』 : 届かない声
書評:マフムード・ダルウィーシュ『パレスチナ詩集』(ちくま文庫)
詩歌オンチを自認している私が、どうして本書『パレスチナ詩集』を読んだのかといえば、ひとつには「パレスチナ問題」については、もう30年来、興味を持って見守ってきたからであり、もうひとつは、尊敬する、故・エドワード・サイードが、この詩人に触れていたのを、かつて読んでいたからである。
ダルウィーシュの「詩」そのものを理解することはできなくても、その作品に触れることによって、その息吹に触れられれば、それで十分だと考え