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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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#文芸評論

南伸坊 『オレって老人?』 : 弱きを助け 強きを挫け。

 書評:南伸坊『オレって老人?』(ちくま文庫) ひさしぶりの南伸坊である。初期の著作は…

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サマンタ・シュウェブリン 『救出の距離』 : 「超自然」を超える「日常に潜むもの」

書評:サマンタ・シュウェブリン『救出の距離』(国書刊行会) どう紹介すればいいのか、なか…

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北村紗衣の「そっくりさん」案件 : 『映画秘宝』DM事件を検討する。

「武蔵大学の教授」で「映画評論家」である北村紗衣の周辺を洗っていたところ(というのは、刑…

年間読書人
2週間前
25

キャスリン・ストック 『マテリアル・ガールズ フェミニズムにとって現実はなぜ重要…

書評:キャスリン・ストック『マテリアル・ガールズ フェミニズムにとって現実はなぜ重要か』…

年間読書人
2週間前
21

富士正晴 『新編 不参加ぐらし』 : 言い訳がましい。

書評:富士正晴(著)、荻原魚雷(編)『新編 不参加ぐらし』(中公文庫) このところ、荻原…

年間読書人
3週間前
24

小川哲 『スメラミシング』 : これは私たち自身の戯画である。

書評:小川哲『スメラミシング』(河出書房新社) 本書は、「宗教」をテーマにした短編集だが…

年間読書人
1か月前
25

マフムード・ダルウィーシュ 『パレスチナ詩集』 : 届かない声

書評:マフムード・ダルウィーシュ『パレスチナ詩集』(ちくま文庫) 詩歌オンチを自認している私が、どうして本書『パレスチナ詩集』を読んだのかといえば、ひとつには「パレスチナ問題」については、もう30年来、興味を持って見守ってきたからであり、もうひとつは、尊敬する、故・エドワード・サイードが、この詩人に触れていたのを、かつて読んでいたからである。 ダルウィーシュの「詩」そのものを理解することはできなくても、その作品に触れることによって、その息吹に触れられれば、それで十分だと考え

北村紗衣 『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち』 : シェイクスピアの研究書ではな…

書評:北村紗衣『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち 近世の観劇と読書』(白水社) 「武蔵…

年間読書人
1か月前
39

マーク・トウェイン 『トム・ソーヤーの冒険』 : 「差別者」とは誰か?

書評:マーク・トウェイン『トム・ソーヤーの冒険』(土屋京子訳・光文社古典新訳文庫) 私の…

年間読書人
1か月前
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北村紗衣 『批評の教室』 : 作品批評【実践編】(第2回)

書評:北村紗衣『批評の教室 チョウのように読み、ハチのように書く』(ちくま新書) さて、…

年間読書人
1か月前
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フィリップ・K・ディック 『宇宙の眼』『虚空の眼』 : ミズ北村紗衣のキャンセル宇…

書評:フィリップ・K・ディック『宇宙の眼』『虚空の眼』(ハヤカワ文庫・創元SF文庫・サン…

年間読書人
1か月前
37

竹村和子 『フェミニズム』 : 真の「フェミニズム」を知るべし。

書評:竹村和子『フェミニズム』(岩波現代文庫) 「フェミニズム」という言葉だけなら、「誰…

年間読書人
2か月前
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北村紗衣 『お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード』 : 「北村紗衣はダース・ベイダー…

書評:北村紗衣『お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード ジェンダー・フェミニズム批評入門』(…

年間読書人
2か月前
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ジュディス・バトラー 『ジェンダー・トラブル』 : 「フェミニズム」とは何か?

 書評:ジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル フェミニズムとアイデンティティの攪乱』(青土社・1999年翻訳初刊) 知的刺激に満ちた、とても面白い本だった。 もちろん、「哲学書」である本書を、完全に理解できたなどとは言わない。 ボーヴォワールもイリガライも、フーコーもラカンも読んでいない私では、本書で理解できたのはせいぜい2割程度だろう。だが、その2割は、たぶん著者ジュディス・バトラーが言いたいことの中心に近い部分であるという手応えはあったから、その意味では、満足もし