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吉田秀和「LP300選」(「名曲三〇〇選」)講読・鑑賞支援(No.21〜40)

※記事内に貼っている演奏類は、楽団公式動画、著作権切れの録音、著名CDレーベルの公式アップロードなどに限っています。

※一連の「『LP300選』関連記事」を、マガジン(書棚的なもの)にまとめました。以下にリンクを貼っておきます。
トップに固定した記事に、全体的な前置き、凡例的なことを書いていますので、できれば、そちら[を先に/も後で]ご覧ください。


No. 21- 40

(マショー 〜 マレンツィオ)

リスト中の「MM」と「HMS」については前回のNo. 1- 20で頻出でした。なので、今回は説明を省略します。詳しくはそちらをご覧ください。


21 マショー(Guillaume de Machaut)「ノートル・ダームのミサ」("Messe de Nostre Dame")

Brilliant Classics の次の長尺動画、最初の方が「ノートル・ダームのミサ」です。

概要欄とコメント欄にそれぞれトラックリストが貼られています。そこから、個別の曲の頭に飛べるはず(なお、「キリエ」が5分目くらいから)。

また、次のような動画も。

(ものすごくクセのある演奏とは思います。ただ、「本来はこんなもの」とツッコまれそうな気もするのでした。コメント欄にトラックリストあり。)

MM
HMSにもそれぞれ抜粋があります。

MMより。

(「アニュス・デイ(神の小羊)」の部分のみ)

MMには次のようなリンクもありますが、音質に大きな差があるので、参考としてのみ。こちらだとチャプター13。
https://archive.org/details/lp_masterpieces-of-music-before-1750_danish-soloists-and-ensembles-mogens-wldik_0

(上の画像が全て表示されるまでは、音の再生が始まらないようです。また、チャプターを飛ばしたい場合、チャプター1から▶で一つずつチャプターを進めていかないと、うまくいかない感じです。以下、同様。)

音楽史 : グレゴリオ聖歌からバッハまで …… p57。


HMSより、第3集
https://archive.org/details/lp_history-of-music-in-sound-volume-iii-a_various

……のチャプター2の2曲目(「サンクトゥス」の後半、「ベネディクトゥス」……等と歌われる部分のみ)。

耳による音楽史 第1-3 …… p153。


22 ランディーニ(Francesco Landini/Landino)「愛が、おお」"Amar si li alti tuo gentil costumi"

HMSより、第3集
https://archive.org/details/lp_history-of-music-in-sound-volume-iii-a_various

……のチャプター3の2曲目。

耳による音楽史 第1-3 …… p157。


23 13世紀イギリス民謡「夏はきたりぬ」"Sumer is icumen in"


次の動画の 17:40 あたりから。



次のような動画も。


また、HMS第2集
https://archive.org/details/lp_history-of-music-in-sound-volume-ii-ea_various

……のチャプター15の3曲目。

耳による音楽史 第1-3 …… p107。


24 イギリス民謡「なが妙なる息子のゆえに」"Beata viscera"

HMSより、第2集のチャプター19の4曲目/p119。リンク自体は No.23 に同じ。


25 ダンスタブル(John Dunstable)「聖霊よ、きたれ」"Veni Sancte Spiritus"

HMSより、第3集のチャプター7/p171。リンク自体は No.22 に同じ。


26 ダンスタブル「おお、うつくしいばらよ」"O Rosa Bella"

今ではこの曲は Bedyngham によるものとされているようです(HMSにも書いてある説)。

HMS第3集のチャプター9の2曲目【チャプターの曲表記と実際の音楽がズレています】/p180。リンク自体は No.22 に同じ。



27 バンショワ(Gilles Binchois)「結婚をひかえた娘に」"Filles à marier"

次の動画の5分目くらいから。



また、HMS第3集のチャプター10の1曲目/p184。リンク自体は No.22 に同じ。


(参考)
ここの本文でMMにある独唱用シャンソンにも少し触れられています。「さらば、わがいとしき人、わが女王よ」(Adieu m'amour et ma maistresse)。

参考リンクではチャプター16。
音楽史 : グレゴリオ聖歌からバッハまで …… p71。

次の動画も同じ曲(あまり上手い演奏とはいえませんが、雰囲気を楽しむ感じで)。



28 デュファイ(Guillaume Dufay)「天の女王をたたう」"Ave Regina Caelorum"

次の動画は、プロによるものではないので、全く不満なしとはいきませんが……(とは言え、曲の雰囲気は十分に伝わります)。

また、HMS第3集に抜粋。チャプター9の3曲目【チャプターの曲表記と実際の音楽がズレています】/p182。リンク自体は No.22 に同じ。


(参考)
巻末リストのこの箇所で、No.3〜28 に関する補足として、トータル27枚の《中世・ルネサンスの音楽》というシリーズに関する言及があります(K-SL 7001〜27)。



29 デュファイの世俗音楽

これは Safford Cape 指揮、Pro Musica Antiqua of Brussels の「Guillaume Dufay: Secular Works」(EMS 206)というレコードが念頭にあってのノミネートではないかという気がします。

そして、その曲目リストなどを見る限り、以下のプレイリストは、それと同じ録音ではないかと思われます。

(1950年頃の録音。遅くとも1953年までには発売されていた模様。)

なお、例として名前の挙がっている「この五月の月に」"Ce Moys de May" は次のような動画もありました。


* * * * *

念のため、巻末リストの記述を書き写しておきます。

米国盤 EMS 206(廃)。特に《Ce Moys de May》 T-EAC 80288 or 英国盤 HMV SLS 863(Early Music Consort の演奏)がある。


30 オケゲム(Johannes Ockeghem)"Missa prolationum"
(ミサ・プロラツィオーヌム)

MMより。

(抜粋。「聖なるかな」"Sanctus" の最初の部分)

上述の参考リンクではチャプター17。
音楽史 : グレゴリオ聖歌からバッハまで …… p75。


次の動画も抜粋演奏です。


(補足)
・参考盤として Bruno Turner 指揮 Pro Cantione Antiqua の Missa "Ecce Ancilla Domini" の名も挙がっています(ULX 3057 or Te-KUX 3153)。

・本文中で言及されている36声のモテット "Deo gratias"
(タリスやストリッジョがこれを上回る多声部の曲を残しているようですが、1世紀あとの人たちです。ただ、本作がオケゲムの作品かどうかは疑わしいそうです。)

・同じく本文中で言及されている "Missa Fors seulement" 中の「キリエ」"Kyrie"

HMSより、第3集のチャプター11/p187。リンク自体は No.22 に同じ。


31 オブレハト(Jakob Obrecht)「もし私がお前を忘れたら」"Si oblitus fuero"

HMSより、第3集のチャプター12の1曲目/p191。リンク自体は No.22 に同じ。


32 ジョスカン・デ・プレ(Josquin des Pres)"Missa Pange lingua"
(ミサ・パンジェ・リングァ)

次のリンクは Safford Cape / Pro Musica Antiqua による1960年のアルバムのようで、「パンジェ・リングァ」と、ほかに8曲の世俗作品が収められています。
https://archive.org/details/lp_missa-pange-lingua-8-secular-works_josquin-des-prs-pro-musica-antiqua-safford

次のプレイリストも同内容のようですが、音声のエンコードが良くないので、参考用として。


もう一つ、別のプレイリスト。

これはカイヤールによる1955年録音のレコードだと思います(動画の概要欄には1962年リリースと書いてありますが、おそらく誤り)。巻末リストで言及されているのも、恐らくはこの演奏ではと。


もう一つ。次の動画は抜粋ですが、音がいいので、まずはこちらから試すのもありかと。

* * * * *

巻末リストの記述を書き写しておきますと。

カイヤール指揮合唱団 米国盤 Westminster XWN 18836(廃)。裏にパレストリーナ《Assumpta est Maria》が入っている。共に名曲名演である。
カイヤールの同じ演奏は、R-ERX 7073〜6 or フランス盤 Erato STU 9070〜3 (4枚組)に含まれている。他にまだ数種あるが、その中から、ベンホダ指揮プラハ・マドリガル・シンガーズによるレコード K-SL 7016 or ドイツ盤 Telefunken S 9595 をあげておく。



33 イザーク(Heinrich Isaac)「コラーリス・コンスタンチヌス」"Choralis Constantinus"


1曲だけですが、とりあえず。"Choralis Constantinus" より Introitus: "Sacerdotes tui Domine"。


* * * * *

巻末リストには《15世紀および16世紀モテット集。ブラウン指揮ルネサンス合唱団 米国盤 EMS 5546(廃)》とあります。

検索すると、タイトルが基本的に同じな
Fifteenth and Sixteenth Century Motet,
The Renaissance Chorus - Harold Brown, dir.
……というレコードも出るのですが(Esoteric 546)。

Counterpoint / Esoteric Records の CPTS-5546、「Motets from Choralis Constantinus / Harold Brown, Renaissance Chorus」というレコードが、どうやらそれと同内容らしいのです。
この型番もリストと少し違いますけれど、「きっとこれだろう」と見るなら。こちらは以下のようなプレイリストが見つかります。

内容は(レコードの情報に即すると)、前半(A面)が Heinrich Isaac: Motets from "Choralis Constantinus" Book 3(つまり、抜粋)。

後半(B面)が以下のような作曲家のモテット集です。
Vincenzo Ruffo: Adoramus Te
Thomas Tallis: Magnificat
Josquin Desprez: Misericordias domini
Hans Leo Haßler: Ad Dominum cum tribularer
Giovanni Perluigi da Palestrina: Exultate Deo

録音は1954年ごろのようです(動画の概要にある情報は明らかに不正確。)



34 イザーク「ミサ・カルミヌム」"Missa Carminum"


型番は異なるものの、推薦盤と恐らく同じと思われる録音がネットにありました。

https://archive.org/details/lp_missa-carminum_heinrich-isaac-wiener-akademie-kammerchoir

これは1953年の録音らしいです。


次の動画は抜粋ですが、やはり、こちらから試すのもありかと。

* * * * *

巻末リストの記述を書き写しておきますと。

グロスマン指揮ヴィーン・アカデミー室内合唱団 米国盤 Westminster 18632(廃)。他にトレーダー指揮ニーダーザクセン・ジングクライス 米国盤 Nonesuch 71084。




35 G・ガブリエリ(Giovanni Gabrieli)"In Eccelsis"
(人々こぞりて)……「教会シンフォニア」"Symphoniae Sacrae" 第二集(1615)より

HMSより、第4集。
第4集の音源は YouTube で見つけましたので、操作が変わります。
下の動画から 1:00:17あたりから。
時間指定を入れましたが、うまく機能しないばあいは直接手で操作してください。

https://www.youtube.com/watch?v=zkvG31fwpYI

耳による音楽史 第4-6  ……  p282。

* * * * *

念のため、巻末リストの記述を書き写しておきます。
《HMS 第4巻 米国盤 RCA Vic. LM 6129(廃)。他にコルボ指揮リスボン・グルベンキアン o. 合唱団ほかの演奏による《教会シンフォニア集》 ERA 2023〜4 or フランス盤 Erato STU 70. 674/75 に含まれている。》


36 G・ガブリエリ「教会シンフォニア」("Symphoniae Sacrae" 第一集)(1597)より
(「教会ソナタ」)

この曲に関しては巻末リストと本文に食い違いがおきています。本文を読む限り、ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団の演奏決め打ちで語っている感じなのです。
それは恐らく次の録音(1955年)だと思います。

(ネットでオーマンディのディスコグラフィなどを検索した限り、下の記述以外、それらしいものは見あたりませんでしたので。)

Gabrieli
Sonata pian e forte(symphoniae sacrae) [M] 55/03/28 (C)

[M]はモノラル録音、(C)はレーベルが CBS という意味だそうです。)

一方、巻末リストに載っているのは次の盤かと思いますが、これの動画は見つけられませんでした。

Giovanni Gabrieli
Sacrae Symphoniae Et Canzoni
Wiener Kammerchor - Trompeterchor Der Stadt Wien, Hans Gillesberger - Anton Heiller

ただ、割と似たような(?)盤があったので、代わりにそれを貼っておきます。

https://archive.org/details/lp_sacrae-symphoniae-canzoni-for-double-choi_giovanni-gabrieli-hans-gillesberger-anton

* * * * *

35と同様、巻末リストの記述を書き写しておきます。

《米国盤 Columbia ML 5291(廃)。ギレスベルガー指揮,ヴィーン市トランペット合奏団,ヴィーン合唱団による米国盤 Bach Guild 611(廃)。35の項参照。
他にロンドン・コルネット・サックバット・アンサンブルの演奏(5曲)によるものがある。P-MA 5135。》


37 ラッソー(Orlando di Lassus/Lasso)「わが心は悲し」"Tristis est anima mea"


もう一つ。



また、MMより。

参考リンクではチャプター23。
音楽史 : グレゴリオ聖歌からバッハまで …… p104。


巻末リストでは、MM以外の選択肢として次のようなコメントもあります。
「他にカイヤール指揮カイヤール合唱団によるレコード R-ERX 7073〜6 がある。これは《ポリフォニーの黄金時代》というアルバムで、ラッソーのモテットは10曲納められている。」


(補足)
・本文中で言及されているモテット「われは知る」 "Scio enim"(「ヨブ記続誦曲集」"Sacrae lectiones novem ex propheta Job"より)。
HMSより、第4集。
次の動画の32:10あたりから。
https://www.youtube.com/watch?v=zkvG31fwpYI
耳による音楽史 第4-6  ……  p265。


38 パレストリーナ(Giovanni Pierluigi da Palestrina)「聖母哀傷」"Stabat Mater"

もう一つ。


Brilliant Classics にも。次の動画の1曲目が "Stabat Mater" です。また、2曲目、アレグリの「ミゼレーレ」も(モーツァルトに関連したエピソードによって、とりわけ)有名な曲。

(コメント欄にトラックリストが貼られています。時間表記の部分をクリックすると、個別の曲の頭に飛べます。)

* * * * *

巻末リストの記述を書き写しておきますと。

米国盤 Westminster 18632(廃)。他に Grammophon の《アルヒーヴ・レコードによる音楽史》Archiv EPA 25(廃)。ヴィルコックス指揮キングス・カレッジ合唱団 英国盤 Argo 5398(裏は『マニフィカト』)。他にターナー指揮プロ・カンティオーネ・アンティクヮによる V-VIC 2126 がある。


39 パレストリーナ「懺悔は終わりぬ」"Missa, Iste Confessor"

このレコードは推薦盤(ヴェルヒ・コラーレ演奏 米国盤 Lyrichord 49)と同じものだと思います。2つのミサ(Missa "Iste Confessor" / Missa "Sine Nomine")が入っている盤ですが、動画の後半(17分あたりから)が Missa "Iste Confessor" ではないかと(たぶん)。

次のプレイリストも同じ録音だと思いますが、ひどく音が悪いので、参考としてのみ(後半の6曲)。



40 マレンツィオ(Luca Marenzio)のマドリガル「楽園からくだりて」"Scendi dal Paradiso"

HMSより、第4集/p234。
次の動画の1:15あたりから。
時間指定を入れましたが、うまく機能しないばあいは直接手で操作してください。

https://www.youtube.com/watch?v=zkvG31fwpYI

耳による音楽史 第4-6  ……  p234。

巻末リストに《曲は異なるけれどもマレンツィオのマドリガル4曲が入っているレコード(英国盤 Argo ZRG 602 ムジカ・レセルヴァタの演奏)をあげておく》とのただし書きあり。


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