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「それは誠」
乗代雄介さんが「それは誠」で織田作之助賞を受賞されたとのこと。
とても嬉しい。
なぜなら「それは誠」は涙が出るくらいいいお話だったから。
主人公は複雑な家庭で育った高校2年生の誠。修学旅行で東京へ行くことになり、自由行動の日に日野市へ行く計画を立てる。生き別れたおじに会うためだ。たまたま同じ班になった生徒たちも協力し、次第に打ち解けていく。さまざまなエピソードを交えつつ、男女7人の1日限りの冒険が「誠の手記」として紡がれる。
乗代雄介さんの著作を読むのはこれが2回目。
「旅する練習」以来。
「旅する練習」は奇跡のような物語でした。
緊急事態が宣言されて、旅行も中高生の部活もままならなかったあの時期、「コロナ禍」という災いが、こんなに美しい物語を生み出すことが出来たのかと思いました。
中学入学を前にしたサッカー少女と、小説家の叔父。
2020年、コロナ禍で予定がなくなった春休み、
ふたりは利根川沿いに、徒歩で千葉の我孫子から鹿島アントラーズの本拠地を目指す旅に出る。
ロード・ノベルの傑作! 第164回芥川賞候補作。
読み終えて、声をあげるほど泣いた。
大塚真祐子さん(文筆家・元書店員)
「好きなこと」がなにかひとつでもある人に、絶対読んでほしい。
金子由里奈さん(映画監督)
ただ「旅する練習」は最後すごくキツいところがあるので、しばらく引き摺るかもしれません。
私は今でも思い出し泣き出来る。
「それは誠」の織田作之助賞、嬉しいなぁと喜んでいたら、昨日は芸術選奨を受賞されたというニュース。
新人賞ではなくて、大臣賞なのですね。
すごい。
おめでとうございます。