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2019年5月 詩「ベンチ・タイム」「断絶」


詠題:階段


ベンチ・タイム  森田 玲花

ハイボール片手にくだっていく
一歩歩いたら 言葉が曇り空になり
二歩歩いたら なみだの海ができて
三歩歩いたら 血潮が明日を運んでくる
木曜の甘さに打ちひしがれてたら
わたしを見つめる月が細胞分裂した

おわりが見える時がくるまで
ワルツを縦に剥離させてよ

ハイボール片手にくだっていく
淵は真っ暗、もうほどけたい だなんて



断絶  ねむみ えり

シンデレラじゃないから、裸足のまま駆け下りた
安心して、私は私から変われない

螺旋を紐解いて
DNAを分析して

永遠に繋がれない手を伸ばし合って
それとなく運命とか言ってみようか

血まみれになって抱き合っても
私たちは違う個体なのにね


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