思い込みから解放された話
大人の階段を登るとは、こういうことか。
その日、私は長居できる場所を探していた。
iPadと折り畳みキーボードを持ち歩いていたので、
Wi-Fiが繋がるところでもあれば
エッセイのひとつでも更新しちゃおっかな〜と思っていたのだ。
悩んだ末にスタバに入店し、注文の列に並んだ。
「ホットのチャイティーラテのトールサイズで」
と言い終えて何かが、
小さな違和感か、期待のような何かが、私の中でチカチカ弾けた。
次の瞬間、
「やっぱグランデでお願いします!!」
と訂正している私がいた。
トールサイズはいわゆるMサイズ、グランデはLサイズである。
私は喫茶店で、Lサイズを頼んだことがなかった。
「大人になってからだよ、松屋にサラダつけられるようになったの」
というのは色々な同世代から聞いていた。大人になって稼げるようになって、サラダにお金をかけられるようになったということらしい。
それと同じかもしれない。
学生時代からSサイズ、贅沢してもMサイズを選ばなければならない、なぜならお金がないから…という思い込みに大人になっても囚われ続け、
40近くなって初めてその呪縛から解放されたのである。(今もそんなに稼いでいるわけではないが、それはさておき)
初めて手にしたグランデサイズのチャイティーラテは想像を超えるデカさだった。紙コップが縦に長かった。
実際にはもう一段階上のサイズもあるらしいが、私にとってはもうはちゃめちゃにデカかった。一生チャイ飲めんじゃんって思った。
大人って一生チャイ飲めるんだ、いや、私がその「大人」なんだ…
まだまだ私には思い込みに囚われてできていないことが、実はものすごい量あるんじゃないか、そんな予感がした。
何回飲んでも無くならないチャイティーラテを飲みながらエッセイを書くべくキーボードをポチポチした。なんだかいい時間だった。
そうしてできたエッセイがネムイナのページのどこかにあります!!探してみよう!!
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