ネムイナ
コミティアにて配布した本はこちらに置いておきます。
結婚してからそろそろ10年になる。 夫、山下(仮名)は学生時代のサークルの後輩である。 ただの先輩と後輩の状態からお付き合いするまでに時間がかかったため、 結婚してからしばらくはサークルにいたころのノリで 私→夫 山下(名字呼び捨て) 夫→私 ネムさん(仮・サークル員共通のあだ名) と呼び合っていた。 結婚して2年ぐらいしたころ、山下の私への呼び名は「ネムち」になっていた。 山下いわく、 ネムさん→ネムちゃん→ネムち と自然な経過をたどってそうなったとのことだが、私の方
大人の階段を登るとは、こういうことか。 その日、私は長居できる場所を探していた。 iPadと折り畳みキーボードを持ち歩いていたので、 Wi-Fiが繋がるところでもあれば エッセイのひとつでも更新しちゃおっかな〜と思っていたのだ。 悩んだ末にスタバに入店し、注文の列に並んだ。 「ホットのチャイティーラテのトールサイズで」 と言い終えて何かが、 小さな違和感か、期待のような何かが、私の中でチカチカ弾けた。 次の瞬間、 「やっぱグランデでお願いします!!」 と訂正している私
Twitter(X)やblueskyからお越しの方、noteからお越しの皆々様こんにちは! 加東ネムイナ(かとうねむいな)と申します。 執筆等のご依頼はこちらまで→nemuina.katoあっとgmailドットコム エッセイで本を出したい!と思いながらもあまりにのんびり更新しており、 占い師に「活動が少ないんじゃないですか」と言われぐうの音も出なかった私でございます。 趣味はエッセイを書くこと、俳句(かもめ句会、くらら句会)、イラストを描くこと。 俳句は文春俳壇や岩波俳句
地味に一年ほど続けている趣味がある。 印象に残った風景をスマホで撮るときに、自分の無表情の顔面を半分見切れさせるというものだ。 想像がしづらいと思うので、イメージイラストを描いたので貼っておきます。 夫や友達に画像を送るときに自分が見切れてたら面白いかな、 という些細な遊び心から生まれたこの趣味を、 「半顔面(はんがんめん)」と呼び地味に継続していた。 実際、「半顔面やってるんだよね」と画像フォルダを見せると結構な確率でウケた。 気をよくした私は現在20歳そこそこ、現役
私の趣味は俳句を詠むことである。 月2回、オンラインや対面で句会を楽しんでいる。 句会ってなによ!と思うでしょう。 説明しよう。(めんどかったら読み飛ばしてもいーよ!) ・あらかじめ作っておいた句を「短冊」と呼ばれる白くて細長い紙に1句ずつ書き、持っていく。5句なら短冊は5枚になる。 ・句会会場でみんなの持ってきた短冊をシャッフルする。 ・シャッフルしたものを10句ずつぐらい別の紙(清記用紙という)に清書する。この時点でどの句が誰のものかわからなくなる。 ・清記用紙をまとめ
嗜癖している。 SNSと買い物、煙草である。 仕事がない日は、いや仕事があってもスマホでSNSとショッピングサイトを巡回、飽きたら煙草を吸ってまたSNS…寝落ち…といった何も得るものがない生活をしていた。 カウンセラーは言った。 「何かに没頭してみればいいんじゃないですか」 没頭。 たしかにSNSを見ているときは機械のように見ていて、没頭しているという感じでもないな。 最後に没頭したのっていつだ? 中学校の美術部では部誌の〆切前だけ慌ててやっていたし、その後は闘病生活に
図書館は健康にいい。断言したい。 ・自宅から図書館まで適度に距離があり、ウォーキングになる ・返す(もしくは借りた)本を持ち歩くため、筋力向上に繋がる ・本を読んで頭が良くなった気になる ・自習室で勉強ができて頭が良くなるかもしれない などなど、とにかく図書館に来ると何か自分に良いことをしている気分になれるのがいい。 自分がよくやりがちなセルフネグレクトと対極にある施設だ。 今日は自習室でnoteを書いている。なんとWi-Fiまで通っているのだ。 これ一日中いられるので
全室フローリングの家に引っ越して1年になる。 はしゃいでお掃除ロボットを買い、しばしばそいつに床掃除をお願いしていた。 が、どうもキッチンが汚いような気がする。 どうしても油や水やらで床が汚れてしまうのだ。 気づいたら雑巾で拭き取るようにしていたが、なんだかめんどくさい……。 そこで一念発起、フローリングワイパーを購入した。 掃除機より軽く、濡れているこいつで床をフキフキすると一瞬で床が綺麗になった。 なんだお前(床)、光るじゃないか。 天井のライトを反射した床はどこか
ロゴTシャツが着れない。 話は19歳、大学1年生の時に遡る。 ロゴの入ったTシャツについて何も考えることなく、 「なんかアルファベットが書いてあってオシャレ」ぐらいのファッションレベルで意気揚々とロゴTを着てサークルに向かった私に、先輩が言った。 「Tシャツに"ユニバーシティ・カレッジ"って書いてある!!!!」 原宿竹下通りで買ったんだからまあオシャレやろ、 と思っていた私のTシャツには、 円形の模様を取り囲むように上半分に”UNIVERSITY”、 下半分に”COLL
結局、コロナ禍は終わったのか。 終わっていないのか。 どっちなんだい!? というわけで新型コロナウイルスが私たちに与えた最も身近な変化であるアレについて語ろうと思う。 マスクである。 感染予防対策としてほぼ義務付けられたそれは、品薄になったり高機能になったりと、ここ数年で一番私たちを振り回したものではないだろうか。 なかでも私が特筆したいのは女性を中心に流行った色付きマスク等のいわゆるオシャレマスクである。 ピンクやベージュ、パステルカラーの本体に違った(あるいは同じ
パソコンなどに使う折りたたみ式キーボードを手に入れた。 前々から仕事部屋だけでのノートパソコンの作業では飽きてしまい、リビングに小さいデスクを置きパソコンごと移動、それでも飽きた時はネカフェに行くなどウロウロとしていたが、うちのパソコンはとにかくでかく、持ち運ぶタイプのものではないのである。 iPadを持っているので「もしかしたらこれで仕事ができるのでは…?」と薄々思ってはいたのだが、「まあ仕事部屋からでなければいいだけの話だからねえ…」と思い何もしなままズルズルきて今に
(※登場人物には全員掲載許可をもらっています) 2024年1月某日、私はかつてないほどの気合を入れて都内のカラオケ店に向かった。『新春シャンソンショー』のためである。 新春シャンソンショーとは、 毎年始めに4人のアラフォー女性によって行われる、手っ取り早く言えばただのカラオケ大会だ。 私含むメンバー4人は同じバンドサークル出身で、音楽はそれなりに聴いてきたはずだが、 毎年行ううちにいわゆるバンドの曲を普通に歌うのではなく”何か一芸を仕込んでいくこと”が通例となっていた。
思春期にやらかしたこと、黒歴史、中二病、みんな一つはあることだろう(あるよね?)。 私にも黒歴史があり、しかもその証拠が現存している可能性がある。毎日ぼんやりと生活しながら、うっすらとそれが日の目にさらされるときを夢想し、おしっこをもらしそうになっている。 中学校2年だったか3年だったかのときだ。私は美術部という名の実質漫画研究部に所属していた。同人漫画を回し読みし、コピックやスクリーントーン(アナログ画材)を使ってイラストを描いていた。 中二ヲタク女子あるある話だが、
俳人の池田澄子氏が、思春期に石川啄木の短歌に感動し「夢で逢えますように」と本を枕の下に入れて眠ったーーというなんとも微笑ましいエピソードがある。 良い初夢を見るために、回文の書かれた七福神の宝船の絵を枕に敷くなどという古いおまじないもあるように、どうやら枕の下には昔から人を惹きつけるなにかがあったのだろう。 ところで、私も枕の下に半強制的にあるものを敷いて寝なければならない状況に陥ったことがある。 幼い私が自分で描いた、拙いバナナの絵である。 小学校低学年ごろだったか、ス
雑誌を読むのが好きすぎる。 ので、長らく雑誌を電子書籍化したものを読めるサブスクを利用している。 主に読むのはトレンドが掴めるファッション誌(かといって私がトレンド最前線の恰好で街を歩くことはほぼ無い)や、貯金!掃除!自炊!などの生活雑誌だが、せっかく100種類以上の雑誌が読めるのだ、週刊誌や筋トレ雑誌、飼ってもいない動物の雑誌など気が向いたものをダラダラ眺めたりしている。 ある日、そういや日ごろスルーしていたな……と女性向け週刊誌に目を通した。『週刊〇性』だったか『女〇
#エアコミティア の間に無料公開していたものです。ありがとうございました! 2018年5月既刊、現物は売り切れです。