太らないために大切なこと。
最初に断ると、「痩せている方が格好が良い」とか、「痩せている方が健康的だ」とか言いたいわけではない。現に、超肥満大国「オーストラリア」の平均寿命は、80歳を優に超えている。日本と遜色無い長寿国だ。健康には無限に近いパラメータが存在しているので、食生活や運動習慣だけでどうこうできると考える方が傲慢だと、私は思う。
では、なぜ体型の話を書こうと考えたか。前々から言われていたのだが、イギリスに到着してからというもの、「何で、運動もせず、高カロリーなものばかり食べて、そんなにお酒も飲んでいるのに太らないの?」と、皆に不思議がられるからだ。前提として、体質のせいではない。就職してから1年で体重が4kg増えた点から、加齢と共に体型が変わりやすくなっているのは確かだ。それをどのように留めているかという話を、整理しておきたいと思う。
・体型維持に運動は不要
最大のコツは、体型維持に「運動が必要だ。」と考えないことだ。運動によって消費可能なカロリーは、思いの他少ない。例えば、体重70kg/身長182cmの私が毎日欠かさず、時速 約10kmで30分間ジョギングして消費可能なのは約360kcalである。もちろん時間を伸ばしたり、走る速度を上げることで、消費カロリーを増やすことは可能だ。しかし、それを一年継続できるだろうか。雨の日も、風(風邪)の日も、出張先でも…というわけには、なかなかいかないだろう。
・360kcalでできること
運動をすると、何か飲んだり食べたりしたくなるものだ。「ご褒美に少しくらいなら…」という気持ちを、持ち合わせるなという方が難しい。しかし、運動によって消費されたカロリーの範囲内でできることは、意外に少ない。例えば、ポテトチップス1袋で約400kcal。この時点でアウトだ。マクドナルドで照り焼きマックバーガーを1つ食べれば480kcal、アウト。生ビールジョッキ一杯で250kcal。こちらはギリギリセーフだ。まあ、一杯で終えられたのならば、の話だが。運動で得られる果実は、それ程少ない。その運動すら毎日継続できていないのなら、「太らない」という観点では、運動は何かを飲食する理由にはなり得ない。
・消費カロリーより摂取カロリーに注目しよう
非常に簡略化して書けば、体重の増減 = 摂取カロリー ー 消費カロリー(基礎代謝+運動)ということになる。運動によるおまけは、いつか口にする酒やケーキに回すとして、基本的には1日の総摂取カロリーを基礎代謝の範囲内に抑えなければならない。まずは、この現実を受け入れることだ。消費カロリー(360kcal程度)より摂取カロリー(私の場合、約1,700kcalが適正)のコントロールを考えた方が、楽で効果的だ。
・基礎代謝の範囲でできること
ここで、先ほどの課題が再出する。すなわち、1,700kcalを、どのように主食、間食、ドリンク類に振り分けるか、ということだ。極端な話、ケーキを5切れ食べたら、その日は仙人のように、何も飲み食いしてはいけない。ビールをジョッキ7杯飲んだ場合も同様だ。よく考えると、かなり難しい。ケーキバイキングに行くこともあるし、営業の一環でお酒を飲むこともある。といって、明日からいきなり3,000kcal消費してくれるはずもない。すなわち、日々の消費カロリーは意識的に低く抑えなければならない。
・鍵は「食べるタイミング」と「間食」
といって、小難しい計算をするのも気が重い。そこで、私は簡単なルールを設けることにした。それは、「お腹が鳴ってから食べる」ということだ。お腹が鳴っているということは、身体がエネルギーを必要としているということ。そのタイミングを待って食べることで、オフィスにおける間食の過剰摂取摂取を抑えている。ジュース類も同様だ。そして、自宅には基本的に間食類を置いていない。土日にお腹が減った時は、豆腐や納豆、野菜類を間食としてとるようにしている。平日の借金は土日で調整する。基本的に、7年間これだけで体型の変化は無い。
・まとめ
運動をするに越したことはない。ただ、その消費カロリーに期待しないことだ。運動で消費できるカロリーは、貯金における利息みたいなものである。日頃の摂取カロリーを無意識的に抑える環境やルールづくりこそ、「太らない」ために必要なことである。体型を維持したい貴方の、何かの参考となれば幸いだ。
何かのお役に立ちましたなら幸いです。気が向きましたら、一杯の缶コーヒー代を。(let's nemutai 覚まし…!)