【仕事日記#4】集客のライバル!”モンスター社員”を攻略セヨ
未経験の仕事から下積みして、ようやく希望のポジションで働けるようになった頃の話。
新たなフィールドで、さっそく障壁が立ちはだかります。
「職場に苦手な人がいる……」という方は、人間関係のモヤモヤ対策の一つとしてぜひ参考にしていただけたら。
今回の主役は同じ40代の女性社員。スーツだらけのオフィスに思いっ切りバンドTで現れるパンクなお方です。(以後、バンギャ姐さんとする)
バンギャ姐さんはオウンドメディアの集客担当。自分で広告を書くより、外注のコントロールが主業務です。とりあえず外に投げて、PVやCVが悪ければDVするという、ある意味シンプルなオペレーションですね。
システムには強いし、凝ったマクロも組める。基本的に仕事ができる人なのですが、絶望的にチームプレーが苦手です。
彼女は当初、僕の存在を露骨にけむたがってました。
外注丸投げとはいえ、彼女なりに会社の広告部門を支えてきたプライドがあるのでしょう。向こうはオウンド、僕はペイドと棲み分けがあるとはいえ、こちらが成果を上げると即座に釘を刺してきます。
90点の結果を出しても
「なんで10点間違えたんですか?」と腐してくるし
ちゃんと根回しして業務依頼しても
「今はもう忙しくなりました。プロなら自分でやってください」
と突っ返す。なかなか感情のお天気が読めません。
困り果てた僕は、まわりになぜこんな冷たいのか?と聞いてみると
「あの人ボス(事業部長)に好かれたいんですよ。最近nemuさんがよく褒められてるのが面白くないみたい」
との答え。
なるほど。
ボスとバンギャ姐さんは事業部立ち上げからの盟友なので、独占欲があったみたいですね。男性として好きなのか?は分かりませんが、ボスがバンギャ姐さんの家の間取りにやたら詳しかったり、なにかと意味深な関係です。
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その後も姐さんのメンヘラは加速して、ついには飲み会で
「ボスが相手にしてくれない」
と人目もはばからず泣いてしまう事態が発生。ボススキ。アイツジャマキライ。いよいよ目の敵にされた僕は、毎日のように小言をもらうようになりました。
「本当にすみません。私も手を焼いてまして……」
1on1で、ボスは僕に平謝りするばかり。小学生女児の保護者みたいな言いぶりに、失笑するしかありませんでした。
「すべて他責なんです。昔からチームプレーができない子で」
人間関係が引っかかるって、何度やっても嫌なもの。
今日は普通に挨拶してくれるといいな。
なんて、要らぬ心配事に心がすり減っていきます。
そこで僕は、ある思い切った賭けに出ることにしました。
僕は意を決して、ボスに伝えました。
「集客チームをつくって、僕と姐さんを一緒にできませんか?」
目を丸くするボス。
刹那、産まれすぎた子猫を引き取ったときくらい感謝の意を示されました。いいんですか、と。
エサ代半端ないですよ!?と。
正直、口をついた直後に激しい後悔が押し寄せたのも事実。でも、ここはひるまず一歩前へ出たほうが得策だと思ったのです。ボクシングでいうと、密着したほうが逆にパンチを食らいづらい状況というか。
仲間になって、目標数値を共にして、彼女の悩みをシェアする。
そうすることで、集客の結果が芳しくなくても叱咤の対象から外れます。そしてボスが僕を褒める時、それは集客チームの手柄になり、僕は嫉妬の対象から外れるのです。
もちろん彼女の邪魔をしては逆効果ですから、ホウレンソウの徹底は必携です。でもまあ、その辺の基礎だけは鍛えられていますから。
★参考記事
――あれから約1年。いまではバンギャ姐さんもだいぶ丸くなり、その有能さをより感じています。
押しがある、人を怒れるのって才能。
僕は人から仲介手数料すら取れない仲介者なので、人の本音に迫るときも回りくどいアプローチになってしまいます。
僕らはまさにアメとムチの、ほどよく補完された関係になりました。
営業を問い詰めたいときは、
バンギャ姐さんが机をたたいて
「早く吐け!お前が仕事を止めてるんだろ!!!」と言い、
20分くらいして疲れたころに僕がのそっと出て行って
「事情は分かるが佐藤―――」
と懐柔すると大体自白します。
最近では”裏回しのnemu”の異名を取るようになりました。
できるだけリリー・フランキーみたいな意味深な表情で生きていきたいと思っております。
モヤモヤを抱えるより、いっそ近づいてしまえば解決するかも?
今日はそんなお話でした。