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【仕事日記#2】アラフォー、初のリモートで虚無を知る


いよいよ新天地での仕事がスタート。
知り合いに誘われてぷらっと入社したはいいものの、
40歳を超えての未経験業務&初めてのリモートワークはなかなかヘヴィーなチャレンジでした。せっかくですので、こんな環境を目指している方の参考になれば幸いです。


Amazonで適当に買って5分で組み立てた机をオフィスと呼び、強引に気持ちをつくったのですが、すぐ横にふとんが敷かれているのはやっぱり落ちつきません。

*ひげをそり忘れて、MTG直前にあわててマスクをかぶる
*メタオフィスと音声をつないだまま鼻歌を歌ってしまう
*運動不足で目・肩・腰が全部死ぬ
などなど、ゆるいトラブル連発。なかなか調子がつかめません。

僕の会社はざっくりいえば商社で、担当はカスタマーサポート
ECサイトを見て購入検討中のお客様からWEB予約が入るので、オンライン商談で不明点を解消して、購入を促進する役割です。

よし、やること自体はシンプルなので仕事自体は問題ない――
と思いきや、意外な敵が出現してしまいました。

それが☎電話
弊社もアップデートしているとはいえ、いわゆる”休眠顧客の掘り起こし”には、古来より伝わる神器がまだまだ現役なのです。

とはいえ、僕も若いころは営業をやっていましたし、電話に不慣れなわけではありません。問題はむしろ逆で、慣れ過ぎていたんですね。身なりから、言葉遣いからクセ強だらけの広告業界に長くいたせいで、僕の言葉はちょっとした方言レベルにカスタマイズされていました。

万人と接するカスタマーサポートでは、当然矯正する必要があります。

上司とのロールプレイ研修は難航をきわめました。
初めて出会う”トークスクリプト”という名のカンペ、ひいては小学校以来の音読作業に、舌と唇はまったくついてこれません。
本来あるべき場所から削ぎ落されてきた「いただく」「くださる」「ございます」たちの逆襲劇が始まったのです。


モーニングルーティーンに慌てて舌回し体操を加えました


「”思います”は自信なさげに聞こえるので使わないでください」
「”ちなみに”もやめてください」

直属の上司はお顔こそ赤ちゃん(以下ベイビーさんとする)ですが、元アパレルのカリスマ店員。指導は妥協を許さぬ軍隊式です。
言葉が少しでも詰まったらストップ。なかなかスクリプト完走に至りません。

自分で考えた言葉と違って、読み言葉は途中でつっかえるとなんともいえない気恥ずかしさがあり、ガン見されてると緊張するし、自分はもっとできるのに!と力むとミスる自動車教習所シンドロームに突入しました。

また、身につけるべきは話し方だけじゃありません。
弊社の取扱商品はどんどん入れ替わるため、知識をアップデートしなければいけません。ベイビーさんは機械音痴ですから、どうやって覚えたらいいか聞いても「部屋中に付箋を貼って覚えろ」と帰ってきます。
いやいや、そんなのアメリカサイコパス殺人犯の家じゃないんだから……
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「ソチラノケンニツキマシテハオコタエデキカネマスノデ-」
「キチョウナゴイケンマコトニアリガトウゴザイマスゥ-」

昼下がり、安住の地であるはずの自宅に独り言が転げ落ちます。
そこには持ち味の柔軟さをすべて奪われ、座敷Siriと化した僕がいました。
家で結果を出せないって、家でニートしてるのとどっこいどっこいの虚しさ。(営業要素ある仕事をご希望の方はお気をつけください)
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ロープレに要した時間は、実に1ヵ月。
最後の方は僕も意地になって細かい質問をぶつけたので、
ベイビーさんも
「はあ……nemuさんってキッチリキッチリしたいんですね。A型でしょ?」
とか血ハラしてくるありさまです。

お前がグチグチいうからふぁwぺおうお;あいfじゃlっふぇあい!
A型だけど!

咆哮を噛み殺し、ようやく最終テストに合格。
ついに実戦デビューできることになりました。

言葉を生業にしながら、喋るとなると言葉に翻弄される屈辱。
40歳を超えても、人間は未知の領域にひたすら無力だと思いしらされました。ムダにダメージを受けないよう、謙虚に生きたいものですね。


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