夏の回想
-ボクノシラナイカノジョノハナシ
本当に逝ってしまうその前に、
彼女は最期の自殺未遂をしていた。
目的を果たせず、救急車で病院に運ばれた彼女は、何で死ねないのと泣いていた。
ある時ついに彼女は「確実に死ねる方法」を見つけてしまった。
そこからは淡々と準備を始めた。
新しくTwitterのアカウントを作り、
そこに激しい感情をぶつけながらも
表では友達と思い出を作り、
楽しい毎日を送った。
最期の日は、好きな服を着て綺麗にメイクをし
好きな本を読みながら、最後の晩餐を。
それから予め調べてあった時間に、
決めてあった場所へ自ら向かい、
さよならの言葉を遺して彼女は飛んだ。
―好きな人と結ばれたかったよね。
―幸せに生きたかったよね。
僕がそれを知ったのは
全てが終わったあとだった。