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現役理系院生が教える! 「大学生が読むべき本」
私は生命科学系の理系院生です。大学生になってから「戦略的に読書をしよう」と考えて読書をしてきました。その6年間の大学時代を振り返って、本当にまず「読むべき本」は何だったのか?を考え、具体的に2冊の本を紹介します。
本記事を読んでほしい人
高校生、大学生、若い社会人の方など、「自分の専門をどれにしようか考えている」方
できるだけ効率的に戦略的に本から学びたい方
どんな本が優先順位の高い「読むべき本」であるかを判断する合理的な基準がほしい方
どんな本が、まず「読むべき本」なのか?
大学生はまず「読むべき本を見分ける基準」を知るべきだと考えます。なぜならば、
・本が多すぎる(国際出版連合の推定では、現在1億5000万冊の本が存在)
・時間は有限(そもそも全ての本を読むなんて物理的に不可能)
なので、「年○○冊読みました!」など、「読んだ冊数」に大した意味はないと私は考えています。どんな本を読み、それが実生活でどう生きるか?が説明できることが重要です。
※あくまで「戦略的に本で学ぶ」が目的の場合。私自身、小説などは役立つかどうか関係なく好きです。
大学教授などが推薦する本のリストを読むのはどうか?
実際に読んでみた結論としては、確かに名著だが、難点がいくつかあります。
・読書に相当慣れてて、前提の学問的な知識や時代背景を知らないと、読んでも理解するのが難しい本が多い
・全部読んだところで、体系的な知識は手に入らない
なので、「それぞれの人の『人生を変えた本』を読む」のは効率的でなく、体系的な知識が手に入るような本(またはブックリスト)を読むべき。
私がおすすめする「読むべき本」2冊
前項の前提をもとに万人におすすめできる「読むべき本」を挙げるとしたら、この2冊です。
⭐︎「読まなくてもいい本」の読書案内(橘玲著, 2019)
本書は、世の中の本が多すぎて「読まなくちゃいけない本がたくさんある...」という思い込みが読書から人を遠ざけてしまってるので、まず「読まなくていい本を最初に決める」ための判断基準を授けようという趣旨の本です。
特に、「間違ってる、時代遅れだと明らかになってる理論の本を読むのは効率悪い」と言い切る著者の読書観は痛快です。
本書を読んでわかることは、
・全部の本を読むのは物理的に不可能だという現実を受け入れよう
・「読まなくていい本」を判断するためには「知のパラダイムシフトを起こした5つの学問分野(複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学、功利主義)」を理解しよう
・5つの学問の概要と、それを深く理解したい方のためのブックリスト
複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学、功利主義という5つの重要学問の概要を初学者でもわかりやすく説明されています。「読まなくていい本の判断基準」を早く手に入れるほど、今後、悪書に時間をとられる時間損失が減るので、お得です。
⭐︎読書大全 世界のビジネスリーダーが読んでいる経済・哲学・歴史・科学200冊(堀内勉, 2021)
堀内勉さんは日本興業銀行(現みずほ銀行)、大手都市デベロッパーの森ビルのCFO(最高財務責任者)として、金融とデベロッパーのまさに最前線で活躍した方です。このビジネスの最前線で活躍しながら読書家、資本主義の研究者でもある堀内勉さんの哲学、思想、経済研究と、読書経験の粋が詰まった本になっています。
私は哲学や思想書の古典を挫折せずに読むためには、まず堀内勉さんの「哲学大全」を読むことが近道だと思います。
「読書大全」を読めば、
・ビジネスの最前線で活躍しつつも読書家である著者の実践的な本の読み方
・その著者が哲学、思想、科学の古典と最新著作から選んだ「本当に読むべき名著200冊」のリストと各著作の概要と「何がすごいのか」の解説
・それぞれの古典が登場し、評価された社会背景などを含めた歴史の流れ
が理解でき、体系的かつ実践的でビジネスや実生活で役立つ古典の読み方ができるようになります。
最後に
最後に、私が好きなショーペンハウアーの名言を引用します。
悪書は精神を害し、精神を損なう。良書を読むための条件は、悪書を読まないことだ
今回紹介した2冊は私が「もっと早く読んでおけばよかった」と思った、「読むべき本の判断基準を手に入れるための本」です。ぜひ読んでみてください。「読書」に対する見方が大きく変わると思います。
自分よりも圧倒的に読書に時間をかけてきた「読書家」という巨人の肩に乗って、より少ない時間で大きな知識を得よう!
おしまい