コロナ禍の教育現場で異動して思うこと~入職1か月を終えて③~
転職を過去何度もしてきた身としての心構えとして、異動するとこれまでの経験値が0になったように思えることです。これまでの常識的なルールの多くは、その組織内での規範に基づいたものであり、違う組織へ行くとそれが全く通じなくなるのです。
これまでの大部屋から2人きりの研究室となり、都内の大学から千葉の大学へ異動し、電車4本通勤から高速道路生活…と、1か月も立たない間に大きく変化しました。
自分の担当領域も精神看護→地域看護(在宅看護・公衆衛生看護)になりました。私は保健師経験はあれど、産業保健分野しか知らない人間だったので、ほぼ0からスタートでした。また、コマ数も一気に増えました。
同じ大学なのか?と思うくらいにデジタルツールを使いこなしていましたし、意思決定のスピード、業務量、何もかも違っており、この1年間で何をしてきたのかを知り、良い意味でショックを受けました。「大変だけれども、いることで自分が成長できる組織」というのを早々に肌で感じました。
まあでも、自分は生まれたての赤ちゃんと同じなのであります。
大人になると、どうしても自分の経験則に基づいて判断しがちですし、知らないことを恥ずかしいという側面が顕著に現れます。
恥を忍んで言うと、産業保健の現場から離れると、健康診断の知識にしても思い出せないことは多々あるわけです。今自分の中でまま知識があるのは精神看護の知識ですが、それにしたって精神ではあくまで実習の教育的視点であり、看護ケアでいうと現場を超えるものはないと思うのです。しかしながら、私は教育の人間なので、自分の臨床スキルはさておき「いかに学生が現場から吸収できるのか?」が軸になるため、自分の臨床スキルを問うても仕方ないことだと思っています。
入職してまず意識をしたのは、
1.同じ領域の先生との関係性の構築
2.領域や自分の関わる範囲での関係のアセスメント(自分の中で)
3.できないなりにできることを考え、質問する
4.できる人に業務の段取り&展開を確認する
5.ひとりで抱え込まない
6.感謝の気持ちを伝える
本当に赤ちゃんなんですよ。新しい職場で働くって!!
1.同じ領域の先生との関係性の構築
新参者として、自分もそうですが相手だって「ネコピン何者!?」と思われているわけで、これまで私が入る前にはそのメンバーでうまく回していた訳です。そこに変な人間が加わり、力動が大きく変わるので、まずは自分とは何者かをOpenにし、「自分は危害を加えない存在であること、でもまだ慣れていないこと、組織に貢献したいこと」を意識しています。
2.自分の立ち位置を考える
職位を考えると、自分と同じ職位の人でも自分の数倍働いています。確かにそれを真に受けてしまうと、自分は何て無力なんだと考えてしまいがちですが、1年かけて学んでいく姿勢を心がけています。
3.できないなりにできることを考え、質問する
2.にも通ずることですが、「1年目だから分からない」となるとそれは思考ストップな考え方なので、今の自分の少ない武器を示しつつ、仲間とよくコミュニケーションを取る中で、自分にできることを模索しています。
4.業務の段取り&展開を確認する
仕事のやり方ないし、その人が大切にしている考え方は人それぞれです。自分の中で、ひょっとしてこれはこうかな…という考えがあったとしても、ここは異世界。ですので、時間を頂いて申し訳ないと思いつつも、すり合わせをして進めていくことが大事だと思っています。
5.ひとりで抱え込まない
些細な事でも相談するようにしています。自分の分からない状況を外へ発信していく中で、周囲は必要な知恵を授けてくれます。これは単に電話で確認すればすむ話も、未経験者にとってみれば、どれくらい優先順位が高いものか、キーパーソンは誰か、メールor電話が良いか等の判断がつきません。1か月すればこれは慣れてくるのですが、着任早々はそこから悩ましかったです。
6.感謝の気持ちを伝える
自分に取ってくれている指導の時間は、空いての仕事の時間でもあります。できるだけ時間内に仕事を終え、それぞれのプライベート時間を大事にするのが本来理想な働き方なので、できない自分のサポートをしてくれている先生方には感謝を伝えることが、今できる自分の行動だと考えています。
まだまだ入職して間もないため、どれほども貢献できていないですが、とにかく夏までは生き残れるように踏ん張りたいです。