ワイン中に含まれる乳酸菌 文献調査中
昔、美味しくないワインをサンプリングして、遠心機で10000回転で15分回して、沈査をプレパラートガラスにスメアを引いて、グラム染色をしたことがあります。すると、美味しくないワインは、桿菌やら球菌やらが1連、2連、4連といろいろいました。美味しいワインは、全くいないか、1種類でした。うーん、どいうこと?と思って、いろいろと論文を調べていたのですが、それからなんと10年ぐらいは経ってしまいました。改めて、文献を調べていきたいと思ってます。手元に置いたままにすると、忘れるので、ここにメモ代わりにアップすることにしました。
文献
MLFの主要な役割:
マロラクティック発酵(MLF)は、ワインの酸味を減少させ、口当たりをまろやかにする。
微生物安定性の向上:
MLFは、微生物の安定性を向上させ、ワインの保存性を高める。
香りの改善:
MLFは、ジアセチルやエステルなどの化合物を生成し、ワインの香りに貢献する。
色の影響:
MLFに関与する乳酸菌は、アントシアニンを分解する酵素を持ち、ワインの色に影響を与える。
タンニンの減少:
乳酸菌は、ワインの濁りを引き起こすタンパク質を分解する酵素を生成し、タンニンの含有量を減少させる。
ペクチン分解:
MLFは、果汁の清澄化を助けるペクチン分解酵素を生成する。
アセトアルデヒドの分解:
乳酸菌は、SO₂と結合したアセトアルデヒドを分解し、SO₂添加の必要性を減少させる。
未来の研究課題:
乳酸菌の利用戦略や改良方法、標的添加物としての可能性、新しい技術の利用について、さらなる研究が求められている(fmicb-11-597944) (Frontiers)。
乳酸菌がワインの品質に悪影響を及ぼす可能性についての研究
ペディオコッカス属:
P. damnosus、P. inopinatus、P. parvulus、P. pentosaceusなどは、過剰なジアセチル、エキソポリサッカライド、生体アミン、アクロレインを生成し、オフフレーバーやテクスチャの問題を引き起こすことがあります (Frontiers)。
生体アミンの生成:
乳酸菌はアミノ酸を脱炭酸して生体アミンを生成することがあり、これらはアレルギー反応や健康問題を引き起こす可能性があります (Frontiers)。
揮発性酸の生成:
一部の乳酸菌は糖を発酵して揮発性酸を生成し、ワインの味に悪影響を与えることがあります (Frontiers)。
乳酸菌がワイン中で生成する具体的な生体アミン
ヒスタミン:
ヒスタミンは、アミノ酸のヒスチジンが脱炭酸されることによって生成されます。ヒスタミンは高濃度でアレルギー反応や食物不耐性を引き起こす可能性があります (BioMed Central) (BioMed Central)。
チラミン:
チラミンは、アミノ酸のチロシンが脱炭酸されることによって生成されます。チラミンも高濃度でアレルギー反応や血圧上昇を引き起こすことがあります (BioMed Central) (BioMed Central)。
プトレシン:
プトレシンは、アミノ酸のオルニチンやアルギニンが脱炭酸されることによって生成されます。プトレシンは不快な臭いや味を引き起こすことがあります (BioMed Central) (BioMed Central)。
カダベリン:
カダベリンは、アミノ酸のリジンが脱炭酸されることによって生成されます。カダベリンも不快な臭いや味を引き起こすことがあります (BioMed Central)。
これらの生体アミンは、特定の乳酸菌が関与するマロラクティック発酵(MLF)過程で生成されることがあり、ワインの品質に影響を及ぼす可能性があります。ワインの製造過程において、これらの生体アミンの生成を抑制するために、適切な菌株の選択と管理が重要です (Oxford Academic) (BioMed Central)。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?