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【テレビドラマ感想文】TBS金曜ドラマ『アンナチュラル』~自分の人生がどんなにみじめだったとしても~
こんにちは。長尾早苗です。
今回はわたしの大きな趣味、ドラマ感想文を一つの記事にしようと立ち上げました。いつもは毎週コンスタントに更新している「めんどくさがり屋日記」にて毎週1話ずつ更新していたのですが、
アンナチュラルが10/31で配信終了との悲しいお知らせがサブスクであり、これは一気見しなければ……と思った予定のない10月のはじめの週末に、お風呂に入ったり家事をしたりする間見ていました。
今回はドラマ『アンナチュラル』についてとことん全話語ります。
詩的に紹介しているのでネタバレはないと思います。
アンナチュラルについての詳細はこちらをご覧ください。
あらすじ
法医学解剖医の三澄ミコト(石原さとみ)が勤務するのは「不自然な死」の原因を解剖学的に究明し、解明するUDIラボ。三澄班には臨床検査技師の東海林夕子(市川実日子)、医学生の久部六郎(窪田正孝)がいる。UDIラボにはもう一つのチーム、中堂班がいる。三澄班と敵対する法医学解剖医の中堂系(井浦新)、中堂のとっつきにくさで離れてしまう坂本誠(飯尾和樹(ずん))と、三澄班と中堂班をまとめる所長の神倉保夫(松重豊)。それぞれの事情を抱えつつ、不自然な死(アンナチュラル・デス)と向き合っていくUDIラボ。警察や葬儀屋と連携を取りつつ、どうやら中堂にもミコトにも、過去になんらかの事情を持って、謎の「赤い金魚」を探し求めて解剖に臨んでいるのだが……
スタッフ
脚本 野木亜紀子
主題歌 米津玄師
音楽 得田真裕
法医学監修 上村公一 鵜沼香奈(東京医科歯科大学)
プロデューサー 新井順子 植田博樹(TBSテレビ)
演出 塚原あゆ子 竹村謙太郎 村尾嘉昭
製作 ドリマックス・テレビジョン TBS
さてさて、感想文の方に入っていきましょう。
第1話 名前のない毒
法医学は未来のための仕事。
朝からそりゃあ天丼食べるよねと思いました。家族は家族の非常事態を理解してこそ家族なので、ミコトも大変だなあと思います。
ミコトもすごく変わり者ではありますが、彼女も彼女としてすごく使命感を持ってやっていることなので、中堂さんのようなとっつきにくさはないのですが……それでもこの仕事を選んだ責任も使命も彼女と共にあることを思うと、胸が苦しくなります。
かわいらしくて性格もよく、頭もよい。仕事もできて、彼女の幸せはどこにあるのか。ミコト自身もこれからどうなっていくのかが楽しみですし、なかなか難しい問題だなと思います。
第2話 死にたがりの手紙
なんでだろう、すごくお腹がすきますね……
絶望している暇があったらおいしいもの食べて寝るかな。本当にそう。
人間は意外としぶとくできてる。そう簡単に死ねない。本当に怖いのは生きている人間で、原因究明のための調査の方が大変な仕事。
ミコトのいう「おいしいもの」のために、日々の暮らしは仕事と共にまわっていく。
すごく最近アジフライと天丼、焼き肉が食べたかったことを思い出したりしました。あースーパーに買いに行きたいと思うのは平和なんでしょうね。
第3話 予定外の証人
イヤな女と同じくらいイヤな男だっている。ヒステリーを起こしやすいのは男女特に変わらないし、法廷で冷静になれないのは人間の性だと思う。
それでも、イヤな人にされたことはいまだに覚えているし、これからも傷は残り続けていくんだなと思います。
法医学は実験と調査によって冷静に、淡々と進められていくのではないでしょうか。感情的になっては絶対にいけない仕事だと思います。
第4話 誰がために働く
誰のために働くのか。
なんのために働くのか、ミコトは即答できます。なんのために働くのかの意味を理解してこそ、仕事をする目標が立てられる。ミコトはどんな時でも淡々と仕事を進めます。こんなに法医学が事件に実際に立ち入れるのかは疑問ですが、ミコトの姿勢そのものはすごく冷静でいいなと思いました。
第5話 死の報復
なんでだろう、何かを食べるシーンがとても印象的。真実を探る時には本当に地味な調査に調査が重ねられてできていると思います。
当たり前のことだけど誰もが人間で、事情があって仕事をしている。
ミコトも中堂さんもその中の一人でしかないのだと思います。
第6話 友達じゃない
六郎わかんないだろうなあ。わかってほしくないな、女同士の友情。
東海林とミコトはバディだと思うし、単なる同僚でも女友達でもない。もっと強いきずなで結ばれていると思う。一緒に危険できつい仕事をしている者同士、どちらかが困ったら助けてあげるスキルがあること。
わたしたちは最強って笑いあいながらビールを飲めるのって最高ですね。
第7話 殺人遊戯
許されるように生きろ。
殺人を実況生配信する高校生とミコトは対決することになります。被害者Yの死因を動画とヒントだけで解明しようとするのですが、高校生たちにはある思惑がありました。
きわめて残酷で残虐な現実。そこから逃れようとすることも、「やり方」というものがあると思っています。
自分の人生は自分のもの。加害者たちは名前を変えて新たな人生を歩んでいくけれど、被害者として自ら命を絶つことだけはやっちゃいけない。
第8話 遥かなる我が家
我が家ってどこなんだろう。血縁関係は親子しかないけれど、結局人間は一人ひとりの個人で生きている。
誰かと出会い、誰かと関り、社会の中で働くことで、新たな「我が家」ができていく。
六郎が求めていた「我が家」はどこだったのか、人生のこれからをどこで過ごすのかについて。
調査と研究の日々の中で、そこには確かに息づくものがあるように思います。
第9話 敵の姿
中堂さんは中堂さんなりに幸せに生きる権利があったはず。
元恋人の糀谷夕希子が連続殺人事件の被害者としてなくなって、彼女を解剖した過去があったこと。不気味な連続殺人犯が他の事件の被害者だったこと。
赤い金魚のマークはなんだったのか。
夕希子の事件だけは一回完結で終わらせることができず、中堂さんの永遠の問いにはまだ答えが見いだせないままでいます。
加害者を裁くのは法であって医学ではない。そのあわいに法医学があるのだと思いますし、法医学者も医者だけど人間なのだと思います。
最終話 旅の終わり
7Kの最後のKは、「嫌いじゃない」。
朝から天丼を食べる毎日の中で、ミコトに絶望している暇なんてありません。危険、汚い、きつい、気持ち悪い、それでも働くのは法医学が未来への仕事だと胸を張って言えるから。口腔の「赤い金魚」のマークの証明はそういうことだったのか! と最後腑に落ちます。すべての調査の結果で論理的に人を裁くとは。
すべての不条理な死に立ち向かうためには、生き続けることが大事なのだなと思います。
どんなに自分の人生がみじめだと思っていても、おなかはすくしいそがしくて絶望している暇なんてない。
そしてみじめな人生だと自分が思っていても、他人はその人生と同じ目的・同じ道のりを歩むことはできません。
結果だけがすべてを語ることはあります。その最終的な形態を決めるのもまた、自分自身と詳細な調査と研究の結果なのだと思いました。
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