ゆとり世代の『健全』。
先日、娘が成人式を迎えました。
今年、通信制高校を卒業するので、20歳だけど現役JK。
中学生の頃、『起立性調節障害』と言う病気が判明。思春期の女子に多い、世間的には「怠け病」と言われている病気です。
小さい頃から、低気圧の日に体調を崩しやすかった。
あと、遠足や運動会などで疲れた日などに。
病気のために不登校になり、高校は普通校に進学したけど一年で登校できたのは1週間ほどでした。
それから通信制高校へと転学して、
月に2日登校しながらバイトを始め、韓流アイドルに目覚めてオタクになり、韓国まで聖地巡礼するようになる頃には、病気の症状も軽減しました。普通は、学校の間にバイトに行きますが、うちの子はバイトの間に学校に行ってた。
車の免許を取ってからは、
友達と遠出する事が増えて、私達親が帰りを心配するもしばしば。
電話しても出ないし、こっちは次の日仕事だから寝ないと辛いから、起きて待っとくわけにもいかない。
朝、ベットで子供みたいに寝ている姿を見て、ホッとします。
本人は「大丈夫だから〜、心配せんでいいよ〜。」というけど、そう言われて「オッケー👌じゃあ、今から心配やめる〜。」って言う親がいたら、会ってみたいわ!
親は『心配』する生き物。
呼吸しないと生きていけないように、親は『心配』をやめると死にます。(←嘘)
その証拠に、50歳の私を、75歳の父はとても心配する。「健康に気をつけてよ。車の運転は慎重にね。」・・・まるで小学生扱い。
そんな親の気持ちを、1ミリも理解できない娘なんですが、そういえば、私も娘と同い年の頃、夜遊びしては親を心配させてたな〜。と不思議なデジャブを感じます。
その娘が、先日「お母さんのスマホ貸して。」と言って、勝手に触ってます。ロックしてないから、自由に触れるんですが、なにやら時間がかかってる様子。
最近ハマってるYouTube『山田玲司のヤングサンデー』を見たいのに、なかなかスマホが返ってこないから、イライラして「早く、返してよ〜。」と言っても、お構いなしに作業に集中する娘。
しばらくして、「はい、出来た!M(娘の名前)の位置情報を見れるようにしたから、これで安心でしょ!」
「は⁈ イチジョウホウ⁈ ・・・」漢字に変換するまでに時間がかかりました。
『位置情報』なんですね。
ゼンリーとか言うアプリで出来るらしい。
『おお!なんじゃこりゃ〜!!』
文明の進化もここまできたのか・・・脳内文明が『昭和』からアップデートされていない私には、刺激が強すぎて、言葉が出ないって言うのに、娘は「じゃ、もう電話してこないでね〜!行ってきまーす!」
親の心配を先回りして解決してくれる娘・・・
親と子って、こんな感じだったっけ?
「ちゃんと連絡しなさいよ!」「うっせ〜くそババァ!」
「なんですか、親に向かってその口の聞き方は!」
「そっちが勝手に産んだんだろ!頼んでねーよ!」
このテンプレ問答は、絶滅したんだね。
『大人』って言う『絶対的な存在』、反抗しても子供には傷一つつけれない強い存在だったから、昔の子供は安心して(?)反抗できていた。
今の大人は、不況、経済格差、デジタル社会、働き方改革、コロナ・・・嵐に翻弄されて、子供から見ても可哀想で弱い存在なんだね。
せめて、「自分くらいは心配させるのやめよ」って思うよね。
夫に、「見て見て〜!すごいよ〜、Mが何処にいるのか一目でわかるんだよ〜!車で移動すると、アイコンも動くの!面白い〜!」と言うと、
「ふーん・・・それのどこが面白いの?・・・」と言いつつ、画面をずっと見てます。
そして「あ、今、信号待ちしてる。○○方面に行ってるね。どこ行くんだろ?あ、コンビニ入った。」と実況中継を始めた。
そして、「面白いね・・・」
そう、何故か見てしまうんです。神様って、こんなふうに人間を見てるのかな〜とか思いながら。
しかし、娘には彼氏がいないんだね〜。
いたら、自分からそんな事しないでしょ。流石にね。
二十歳で『健全』って・・・昭和世代の私には不気味なんだけど、ゆとり世代ってそんな物なのかな?
『不健全』と言う言葉も絶滅しましたね。そして『健全』あっての『不健全』だった事を考えると、『健全』もまた絶滅した。
♪まわる〜、ま〜わる〜よ、時代〜は、まわる〜・・・って、歌がありました。中島みゆきです。昭和です。
実は、『時代は回ってなかった』というのが、本当のところなんじゃないかなと、21世紀も20年が過ぎた今、私は思う。
時代はアップデートされるモノ。上書きされるモノ。
神様の位置情報アプリの上で、もうしばらく散歩でもするか・・。