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♯4 仕事の質を考える2

自分の仕事が大好きな 松本福士です


右肩上がりの社会をサヨナラ


介護をしていると、昔はよかったあれができて、これができてと、
早くお迎えに来て欲しいと。この会話をよく聞かれます。
これって、今の高齢者の方々が役割がない、さみしい思いをされているのではないかと思ってしまいます。

今の社会は生産性が高い事を良いとする社会構造になっていますよね。

だからこそ生産性が低い、お金ばかりかかる高齢者は煙たがれ冷遇されるように感じます。

高齢者自身もそう思っているし、そう思い込まされているんじゃないかとも思います。

右肩上がりの人生という幻想を抱いていると、ただただ楽しめない老後を過ごす事になるのではないかと思います。

高齢になって明るい未来、私が思い描くのは、心穏やかな未来を作る。
イメージでいうと縁側で周りの人を笑顔で見守る感じです。
その一翼担うのが、介護であり、その質が人生を左右するのではないかと思います。

高齢者になる恐れ

生まれからいろいろなものを獲得してきたと思います。
それは0だった所に、例えば能力が追加される。
足し算をしていく0が1、2なっていく。
しかし年齢を重ねるうちに足し算の人生が、引き算の人生に転換していく時があります。
正確には足し算と引き算両方しているけど、割合が逆転する。

獲得したものをなくす恐怖。
例えばカバンに獲得したもの物をいれていたが、重たくなったと、カバンから出しながら、歩いている。
どんどんカバンから荷物がなくなり、なくなることへの恐怖、獲得したものがなくなることでの無力感。

限りなく0に近付いて行く。

多くの人が通るこの最後の道を、幸せな道にするのも、不幸の道にするのも、自分自身の心の持ち方、あり方が重要だと思います。
また必ず支えが必要になってきます。頼れる環境があるかどうか、ぐらつく心を支えてくれるものが必要だと思います。
支えのメインは人だと思うし、その質が一番重要だと思います。

生産性が低くなっても、他人に依存しないと生きていけなくなっても、
大丈夫。ただいるだけで価値のある存在だと感じられる世の中。

一昔前、農業が仕事の中心であった頃。高齢者が働けなくなっても、役割があった。知識を伝えること。各世代にはそれぞれに役割があり、生まれてから死ぬまでの循環サイクルがあった。
それを各世代が、少しずつ次のステージがどうなっているか体感しながら、話を聞きながら、少しずつ受容して人生の階段を登っていた。

では今の日本はどうだろうか 9割がサラリーマン
高齢者自身は、農家だったかもしれないし、途中から会社勤めになったかもしれない。子供世代は、多くの家庭がサラリーマンとなり、日本の礎を築いてくれた方々。
私達よりも強烈に右肩上がりの社会を体験されてきている。だからこそ失う痛みも強いのではないかと想像する。

この話題は、これで話ができるので、後日また話をしたい。

今は伝える人もいないのではないか。だから声を大にして言わなくてはならない。
「いるだけでも価値はある」

私の勤める福祉施設の利用者さんが冒頭にあった言葉
「昔はよかったあれができて、これができてと」
「早くお迎えに来て欲しい」
言われます。
私はいつも「皆さんのおかげで、私は仕事があります。皆さんに感謝されながら、お金までもらって。そのお金で私は子供を育てられています。皆さんが私に仕事をさせてくれるから、私は家庭を維持できるし、その分皆さんに感謝しています。私にもっと仕事くださーい(笑)」

伝え方はいろいろあるとは思います。言いたい事はいるだけでも価値ある存在だと思ってもらいたいと思っています。
また介護されるなんて迷惑かけたくないというハードルを下げたいと思っています。

私は自分が高齢になったとき、その方が心穏やかに過ごせるのではないかと思っているから。

介護は人生経験豊かにする上でも、奥の深い仕事だなと思っています。

自分の仕事が大好きとみんなが言える世界へ🌍
そんな大人を見て、子供たちが早く大人になりたいと言える世界へ🌍
そして大人が安心して歳をとれる世界へ🌍
福祉職はこの3つの世界の一角を背負っていると思います。
自分達の未来を、今作っています。

私には子供がいます。子供に早く大人になりたい。
そう言ってもらえる、カッコいい大人になれるように日々精進してまいります。

一日1感謝 ありがとうございました。 

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