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#読書感想文# 占いを聞いているように引き込まれる『強運の持ち主』
何となくほっこりした本が読みたい。そう思って頭に浮かんだのが瀬尾まいこさん。
2019年に本屋大賞を受賞した『そして、バトンは渡された』は、気になりつつも図書館の人気ものなのでしばらくお預け状態。代わりに瀬尾さんの『強運の持ち主』を借りてみました。
ちょっといい加減な占い師の主人公が、少し変わったお客さんや周囲の人たちに振り回されながら、本人も少しずつ成長していくストーリー。
短編集として4話収録されています。
一番好きな話は「ニベア」
ある日占いに訪れたのは、小学3年生の男の子。今から買い物に行くと言う少年は、2つのスーパーのうちどちらに行った方がいいのかを尋ねます。適当に答えた方に行った少年は、もう一つの選択肢であるスーパーで強盗事件が起こったことを知り、主人公の占い師を信用してたびたび訪れるようになりました。そんな少年があるとき相談した内容が「お父さんとお母さん、どっちにしたらいいと思う?」。意味深な相談を心配し、少年の家の前で張り込みをすると、衝撃的な事実を目撃することに・・。
ネタバレをするのでこれ以上は書きませんが、単純に両親が離婚するのかな〜と思って読み進めていたらまさかの展開でした。最後はほっこりほろりな終わり方。
主人公は適当なところがあるけど、なんだかんだ占った人を放っておけなかったり、考えてアドバイスをしたりと、悪い人ではないんですよね。
どの話も劇的な展開はなく淡々と物語が進んでいくけど、何となく続きが読みたくなる。占い師の巧みな話術に引き込まれていくような気分になった本でした。