議会制民主主義はおしまい!
ワンフレーズポリティクスは新たなフェーズに入ったんだなと最近思う。
小泉パパから始まって標的とする「敵」を変えながら橋下、安倍と来ていたが、それまではテレビなどのオールドメディアが印象操作に使われていた。
小泉パパなら「旧郵政省」「既得権益にまみれた自民党」、橋下なら「役所」「役人」、安倍なら「サヨク」「民主党」と仮想敵を作り上げて、それに立ち向かうヒーローとして印象を作り上げ、テレビや雑誌で宣伝してもらう、または、そういった騒動を引き起こし、報道してもらう。
なんだかわからんが悪者と戦っている良い人として蒙昧なる「B層」に浸透を狙うというやり方だ。
最近、その宣伝装置の担い手が、一般人のYoutube・x等のネット配信・発信にも広がってきており、そこから収益を得るものが出てきた。
印象操作による収益獲得の「民主化」だ。それまでは印象操作によってオールドメディアだけが稼げていたものが、一般人でもできるようになったということだ。
政治をコンテンツ、エンタメ化した上で、インプレッションを稼いで、マネタイズするというやり方が広まった。
これは、おそらく安倍末期から始まって、石丸、玉木と榛葉の国民民主党、日本保守党、直近で兵庫県知事の斎藤に続いている。
オールドメディアよりも心理的距離が近く、双方向性のあるネットメディアで、蒙昧なる「B層」が「敵」と戦う一体感を感じながら集団を形成していくことになった。一方向のオールドメディアの印象操作よりも効果が出ているように見える。
ネット配信は、従来の「ネットde真実」層もターゲットだが、スマホやIoTの普及で、いままでリーチできなかった主婦や高齢者層もターゲットになっている。(彼らには時間もあるし、なによりネットリテラシーに乏しい。)
思うに岸田政権が倒されたのは、この「民主化」された収益獲得者連中にエサを撒かなかったからなのではないか。安倍の暗殺で稼ぎ頭を失ったため、エサをくれない岸田を逆に「敵」にして稼ぎだしたのかもしれない。
ともあれ、わかりやすい「敵」を作り、印象操作を配信するものにそのネタをばらまく。それにより民衆の一部が熱狂する。そして配信者はおこぼれをもらう。
ワンフレーズポリティクスなど印象で勝負する「インプレ」政治は、先述のとおりこれまでも存在したのだが、その担い手がオールドメディアから「民主化」されたことで、さらなるカオスが巻き起こった。選挙に勝ちたければ、どの陣営もこの手法を行わざるを得ず、議会制民主主義の劣化はここに極まれり、というわけだ。
議会制民主主義はおしまい!