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【途中から有料】ステロイドパルス

1.なぜステロイドを利用するのか?

 ステロイドを使う理由は、免疫反応による炎症を強力に抑える効果があるからです。
 IgA腎症では、体内の免疫機能が過剰に反応し、腎臓の糸球体(血液をろ過する部分)に炎症が起こります。この炎症が長引くと腎機能が徐々に低下し、将来的には腎不全に進行するリスクがあります。
 ステロイドには、免疫の働きを抑えて炎症を鎮める作用があるため、
• 血尿やタンパク尿の改善
• 腎機能の悪化を防ぐ
といった効果が期待できます。
 特にステロイドパルス療法は、短期間に高濃度のステロイドを投与することで、急速に炎症を抑え、腎臓のダメージを最小限に食い止めることが目的です。
 ステロイドはIgA腎症に限らず、様々な腎疾患(例えばネフローゼなど)や癌治療、膠原病などにも用いられます。ただし、ステロイドには悪戯っ子のような性格という副作用もあるため、医師の指導のもとで適切に使用することが大切です。副作用についてはわたしに起きた副作用を「4.副作用について」で後ほどお伝えします。
 ステロイドパルスとは何ぞや?について文字で読むより分かりやすく漫画でまとめたのでこちらを読んでみてください。

2.治療内容

 ステロイドパルス療法では、高濃度のステロイド剤(メチルプレドニゾロン)を点滴で投与します。一般的に3日間連続して行い、体内の炎症を短期間で鎮めることが目的です。
 ステロイド治療中は血糖値が上がるので、点滴の場合も服薬の場合も入院中は食後に血糖値を測り200を超えた場合はインスリンを打ってもらいます。

3.回数

 通常、ステロイドパルスは1クール3日間が1セットです。医師の判断によりますが、わたしの場合は3クールの治療を受けました。

3日間の点滴(1クール目)→3日間の内服→4日間の点滴(2クール目)[ここまでは入院中]→
3日間の内服→3日間の点滴(3クール目)→1年間、減薬しながら内服

 減薬しながら内服を1年間する理由は、大量のステロイドを投与することで体内で本来ステロイドの物質であるコルチゾールを作っている副腎がお休みをしてしまうからです。


 なので急に断薬してしまうとバランスを崩し、吐き気や頭痛だけでなく危険な症状が出てきてしまいます。虫歯の治療などの際もステロイド治療中であることやお薬手帳は見せた方がいいです。ストレスが身体にかかる手術などを受ける場合も同様です。
 ステロイドパルスでの入院中の出来事はこちらにまとめてあります。

 治療に使われるステロイドについてこちらにまとめたのでちょろっと参照されますよう。

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