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海ほおずき

海ほおずき        (産経新聞 『朝の詩』に掲載 2019.10.14)

鬼灯市の中ごろに
海鬼灯の店があった
故郷の浜にあるような
洗いっぱなしの
房じゃなくて
切り離され
着色されていた
空色のを一つ買って
口にふくむと
潮の香が広がった
砂に広がる波
遠い海鳴り
「帰っておいでよ」
幼友達の声がした

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