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少子化が止められない理由ー「がんばってるのになぜ僕らは豊かになれないのか」ー

日本の少子化が進んでいる(今更だけど)。

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出生数は、16年に100万人を割り込み、その後も出生数の減少が加速している。

なぜなのだろうか。井上純一の漫画「がんばってるのになぜ僕らは豊かになれないのか」には、その答えが簡潔に描かれていた。

本書は、中国から来た月(ユエ)さんの素朴な質問に作者の井上が答えることにより、日本の問題点をあぶりだしていく。かわいい絵なのに、内容は、日本の問題点をストレートに指摘する厳しいものだ。

月さんは、「なぜ、保育士の給料は安いのか?」と投げかける。井上は、保育士の歴史的背景と公費が使われていることにより、市場原理が働かない問題点をあげる。

月さんは、「公費をなくして、市場原理を働かせればいい」と提案する。しかし、それでは、保育所が大量に潰れる可能性がある。なぜなら、日本が経済成長をしていないからだ。

井上は言う。「一方中国は経済成長をしてるから…お金で持ってるより教育とか子供に投資した方がリターンが大きいんだよ」。

身も蓋もないが、これが真実なのだ。

日本が少子化の理由、それは、「子供をつくのが損だということ」だ。長期のデフレにより、日本では、お金の価値より物の価値の方が下がる。つまり、お金をずっと使わずに持っている方が有利なのだ。

井上の解決案は、子供を産むと家族が得をするように、国が補助金(今よりも多く)を出せばいいという。例えば、フランスでは、第二子、第三子と増えるごとに家族手当を増額しているのだ。

同様に老人の社会保障にもお金を使う。政府がまずお金を使って通貨を供給することで、経済の好循環が生まれる。シンプルかつ、これしかない解決方法だ。

しかし、月さんは言う。

「ダメだ」「そんな一時的にもらても使わないデスヨ なにかのために貯金してしまいマス」

いや、でも、「ずっと ずーっと払われ続けるとしたら?」

「政府そんなコトしないデショ」

、、、。

結局、子供を増やそうとしていないのは、この国の政府であり、この国そのものであることが、この短い漫画で明かされてしまう。

「子供を産むのは、損得の話じゃない!現代の若者は草食系なのだ!もっとガツガツいきなさいよ!昔は云々間何、、、」

みたいなことを言うオジサンたちが権力の中枢にいる限り、無理なんでしょうねえ。

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