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夢二の女性って実写可能だったんだー坂東玉三郎・初春お年玉公演
坂東玉三郎さんの初春お年玉公演に行ってきました。
ここ5年ほど、大阪松竹座で毎年開催されているお正月公演です。
もう、幸せで胸がいっぱい。
今回の演目は、「口上(挨拶)」「残月(地唄舞)」「長崎十二景(舞踊劇)」でした。
毎回、最初の幕があがって玉三郎さんを見た瞬間に涙ぐんでしまう。
待ってましたの喜びと、玉三郎さんの舞台にかける真摯な姿勢がこう、ビビビっとなって、ぐぐぐっときて、どばぁーってなるわけなんです。
という話を旦那にしたら、「スターウォーズファンもオープニング流れた瞬間に泣くらしいよ」と。
あぁ、分かり合える気がする!どなたかスターウォーズファンいらっしゃいませんか!!
さてさて。
今回特に面白かったのが「長崎十二景」。画家の竹久夢二さんが描いた「長崎十二景」という12枚の絵に着想を得た組曲があるのですが、その組曲にあわせてつくられた舞踊劇です。
セリフは一切無しだけれど、踊りと身振り手振りでストーリーはちゃんとわかります。十二景の作品がうまくつながっていて、長崎の異国情緒漂う世界にどんどん引き込まれる。
竹久夢二さんの女性の絵はとても特徴ありますけど、まさに絵画から出てきたようでした。あの細身でなだらかな、しどけなさの漂う雰囲気…そこには恋にときめく愛らしい女性がおりました。
毎度のことながら、本当に玉三郎さんは70歳を越えていらっしゃるのかと疑いたくなる。奇跡だ。
なんであんなに美しいのだろう。
役者さんで、時々ハッとするほど美しい瞬間を見せる人はたくさんいるけれど、玉三郎さんは一分一秒、一挙手一投足がハッとする瞬間なのです。
するとどうなるかというと、息を呑み続けることになるので、見ている私は呼吸困難に陥ります。というのは言い過ぎですけど、息をするのを忘れるのは本当。
写真や映像で見ても美しいのだけれど、やっぱり実物を見るべき。
口上で玉三郎さんも話していましたが、ネットで何でも見れるようになった現代において、リアルで、同じ時間と場所を共有しながら楽しめるというのは本当に素晴らしく、ありがたいことだなぁと思います。
今週末からはじまる、にざたま公演ももちろん見に行きますよ。仁左衛門さんと玉三郎さんの人間国宝コンビです。楽しみだなぁ。