ショート・ショート。歴史は繰り返す「聖剣伝説2」
懐かしい声に導かれ
目にしたのは聖なる剣
錆びた聖剣に力はなく
野に放たれた少年は都を目指す
吹き抜ける高原の風は踊り
亡骸と化した数多の花々に
天使の怖れをその身に分つ
愛するものの影を辿り
脆く儚い幻想だとしても
共鳴しあったあの日の声を
宿した魂と共に行く
四季に彩られた妖精たちが笑い
円陣の選択を心に刻み
遙かな頂の賢者に道を尋ねては
腐敗した文明が眼を覚ます。
かつて
精霊は戸惑い
高原の風は止み、草花は枯れ果て
世界は破滅した。
過去の繁栄を夢見る愚者
精霊を従え我がものとする支配者
空を汚す黒き虚栄に轟くは
神獣たちの怒りの咆哮
聖剣が指し示す道の先に
聳えるは一本の巨樹の光
神話の中に生きたものを探し求め
振り返る故郷の面影
迷いの中手にした聖剣の錆は
いつしか精霊達の舞を断ち切り
調和を求めた真理でさえ
自らの腕で切り離す宿命の剣となった。
終焉を迎えた賢者の声は虚しく轟き
汚れた遺産は大地に沈む
高原に風が舞い戻り、花々が歌い
水は輝きを思い出し
愛するものがその手に戻った
しかし手に望んだ平穏の後ろに
いつでも妖精達の面影があることを
忘れてはならない
再び光の剣が錆に覆われ
神話と化したいつかの未来に
人が変わらない限り
また同じ過ちを辿ろうとするだろう。
時は流れ、歴史は繰り返す。
サポートいただけるなんて奇跡が起きるのかは存じ上げていませんでしたが、その奇跡がまさかまさかに起きました!これからありがたくゲームのオトモ代(コーヒーとかお茶)いただけると大変喜びます。サポート設定ってあなどれないぜ…。