『ゲームエッセイ:辛口』生きることはむずかしく苦しいかも。でも置いていきたくないものもあるでしょうよ。「ファイナルファンタジーXVI」
子供の頃から大人に対して疑問を
持つことがあった。
みんな苦しそうだ。
楽しいことってあるのかな。
嬉しい出来事ってないのかな。
大人になってみないと分からないことなのだろうけどなにか忘れているんじゃないか。
ゲームをする大人はいなかったし。
ゲームがシリーズ化されていくと
受け継がれていくものとそうではないものに
別れていく。時代に合わせた変化なのだろうけれど、中には失ってほしくなかったものもある。
ぼくはRPG世代だし、ゲーム業界が大きくなったり、すごく縮小していった時代も過ごした。特に2000年代のゲームはシリーズ物が大きく変わった時だと思う。
アニメ・マンガ文化の日本では
"マンガ的表現"のドラゴンクエストが流行った。
ドラクエのバクハツ的人気を
徹底的に研究して生まれたのが
"ファイルファンタジー"
ドラクエにはないものを・・という事だろうか。
ぼくもファイナルファンタジーには大変お世話に
なった。映画のようなムービー。果てしなく広がるフィールド。多彩なキャラクター達による群像劇。どれも貴重な体験をさせていただき、今のゲーマーとしての核がある。
ファイナルファンタジーの魅力は、そういうコアになる部分以外にもたくさんあって。今全力で最新作もプレイしたり遊んだりもしているのだけど。・・・特に気になるところがある。
誰も笑わない。
ファッションやストーリー性からみても
"笑う"ことはいらないかもしれない。
しかし終始むずかしい顔をして、感情があるんだかないんだかよく伝わって来ない。"笑っていそうな"セリフはあるのだけど、大体みんな背を向けてウィンドウのテキストで終わってしまう。
ぼくが思うに、リアルな表情というグラフィックでいちばんむずかしいのがこの"笑顔"なのだと思う。リアルテイストになったⅧやXではたしかに笑顔はあるけれど、どこかぎこちない。
その反対によく怒っている。
敵も主人公も。
怒りのシーンが続き
落ち着いたらまた怒り、チカラのかぎり斬り伏せて倒すコトの連続にはいささか疲れてしまう。
全てのイベントを遊んでわけでもないので
偉そうに言えた立場でもないのだが、
ファイナルファンタジーってよく笑ってたよね。
魔物に勝てば『バンザーイ!』ってしてた。
通りすがりの街の人が手前でコケたりした。
小さいことだけど心が癒される。
小さい演出がおきるからRPGが好きになれた。
笑うことを切り離してほしくなかったな。
"人が人して生きる場所"に必要なのは
クリスタルの加護を断ち切ること
なんかじゃない。
(まぁコレはFFが"クリスタル"にとらわれている
シリーズアイテムからの離脱とも取れるけど。)
魔石でも召喚獣でもない。
笑顔だ。
ちゃんと目を細めて口を大きく開けて
はははって笑って欲しい。
はははっていうテキストを読んで
心の中に"ははは"が芽生えて
"ははは"の感情を汲み取る。
達成感やシステムだけがゲームじゃない。
使命感や責任の進行だけがRPGじゃない。
"ひと"だから出来ること
"ひと"にしか出来ないこと
"ひとならではの物語"の
オールインパッケージが
『ファイナルファンタジー』で
RPGの持つポテンシャルなんだと思う。
まぁもう少しお付き合いしてみないと
わかりませんけどね。
クライヴが笑う日は来るのかな??
ぼくはいつまでもどんな時にでも
笑っていられる大人でありたいと思う。
おしまい!
コケでした〜。