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電子の冒険手帳

一度閉じた手帳は開かない。
書き残したメモも行方知らず。
昨日の出来事もあたまの片隅では稼働していても
メモリーを取り出す必要もないから眠ったまま。

ペンはしょっちゅう無くし
基本メモも取らないし。
デジタル化がデフォルトした現代では
文房具の出番さえ、ぼくの日常では薄れていた。

noteはネット上に記す文房具で
筆であり紙であり墨で硯。
この四つは"文房四宝"と呼ばれる。
かつての文人たちがキモにしていた。


小学生でいえば
鉛筆、自由帳、芯、鉛筆削りあたりかな。
最近ではシャープペンシルも削れる。
Padの授業じゃ関係ないか。

文人たちは自分の好みに合う
道具探しにも精を出しあちらこちら飛び周った。
作者か作品または作風に合わせて個性を発揮し、
時代を超える傑作や名作がたくさん産出された。


それが現代、デジタルでは一挙に手に入る。
書き損じても紙も墨もムダにならないし
硯で袖を汚すこともない。指でなぞるだけ。

一度noteで記せば、半永久的に保存できる。


ペンを落とすことや
書いたメモも無くすこともない。
手帳でページを探る必要もない。
昨日の出来事だって必要とあらば
今すぐ取り出せることだって出来てしまう。

いつでもどこでも書けて
じっくりゆったり触れることも叶うし
書かないことも触れないことも自由だ。


自分で書いたnoteを見返すことに抵抗があった。
書いたことはほぼその日で昇華され、
書きたい内容も想いも一緒に旅立つ。
巣立った彼らを引き止める気になれない。


なんてカッコいいこと言っているが
ほんとはそうじゃないことくらい知っている。

恥ずかしい。

真に核となるパーツはここ。
とにかく恥ずかしいのだ。自分で自分を覗きみるのはノーマークでオトナの画像をお好み全開で覗いている時に好きな子に話しかけられるくらいの恥ずかしさ。もう逃げたい。

恥ずかしさが書き込まれたものは
スマホと共に製紙工場に持ち込み
丸ごと機械でスクラップにしていただきたい。
しかしそうもいかない。

noteが楽しすぎる。
言葉を綴ることが面白すぎる。


冒険のステージが次々と変わる躍動感が立ちこめ
想像以上にご支援と応援歌までいただくようになった。
尊敬している詩人さんもいる。


でもやっぱり恥ずかしくって
何度もアカウントを消そうとして。


noteがデジタルだからまっさらな白紙に戻すのも
カンタン。「はい」と選択すればいい。
どうしてかセーブデータを消しますか?まで何度か進み、何度トライしてもさいごの「はい」が選べなかった。

消してはならない「ナニカ」が
アナザーワールドの片隅から手を振っている。

まったく確認したことのない機能に
"ダッシュボード"機能がある。

週や月、年、トータル期間の記事毎に自分の
"がんばり"が集計されている。

そろそろ垢抜けたい思いと
なにが人気なのか把握したい衝動に駆られ
開きたくないブラックホールに飛びこんだ。

コレは自分の性癖を自覚するに近い。
しかし避けては通れぬイバラの道。


意外な記事だった。

キオクがない。勢いだけで書いたような。
それでも長い間読まれていたジジツ。
未だにPV数は伸び、
スキもゆるやかにいただいている。


その理由が「この記事」に記されていた。
なんとも歯痒く情けなくて、カッコつけつけしいで(とマーメイドたんラヴは変わってないが)
恥ずかしい限り。が。とにかくがんばっていた。


彼はゴールポールもないステージで
とにかくBダッシュしている。


わずかだけ次のステージに
進んだであろう、今の自分が自然と
がんばっていたんだね』と励ましていた。
いや励まされた、の方がしっくりくる。

一度書いたnoteは読み返すことはしなかったけれども、noteがデジタルだから、こうしてキロクとして残されいつでもロードできる。



あの時の想いまで引き出し、過去の自分に叱咤激励され「」がある。アナログ手帳ではどこに書いたかも忘れてしまう自分では、きっとあっさりと置いてきていたであろうに。


noteはぼくの万年筆で
インクで想いを載せる半紙だ。


書きなぐった情熱まで
スクラップするわけにはいかない。


"想いのメモリー"と共にデジタルツールを
仲魔にして、言葉の世界へと旅立つ物語を
記せるのはnoteという宝箱のおかげ。


コケの冒険譚は時間も場所も
選べる自由なデジタル世界の中で、
これからも記述されていく。




""のマーメイドたんは
もっとステータスもスキルも進化しています!


コケでした〜。

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