『マラス~暴力に支配される少年たち~』の感想
『マラス~暴力に支配される少年たち~』/ 工藤 律子
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中米や南米で、ギャングになって加害者側になってしまう若者達を
取材したレポ本。
以前、野獣列車に乗って逃げていく被害者難民の方々を取材した本
(『エクソダス』な)は読んだんだけれども。
人を殺しまくる加害者側のメンタルや事情ってどうなってるの???って
気になって読んでみました。(ーωー;
『日本の社会の貧困にもつながる要素があるよ』とはいわれていたんだ
けれども。 実際に読んでみると、確かに極度の貧困問題から、若者達が
ブラックな産業(?)に飲み込まれていくという構造は、左近世の中を
騒がせている闇バイトのそれと全く同じですね。
若者達に、担うべきバトンを担わなかった結果、そういったことが負の連鎖
的に、不可避に発生していくわけです。
暴力に頼った加害者も、自由なように観えて全く自由ではありません。
分かっちゃいるけどやめられない、社会インフラの最悪例から、逆説的に
「ではどうであったならこのような事態を防げたのか?」ということを
考えるのは、ものすごーーーーく有効だなと、読んでいて感じました。
それにしてもアレですね。 どうしてこう、世の中は貧困化してしまう
のでしょうか。(ーωー ???
私はそういった、社会の根幹を成すようなことについて考えるのが好き
です。
「こうじゃないだろう」 「では、どうであったなら良かったのか?」
みたいな。(ーωー
物事の原点について考えたければ、社会の最悪例から多くを学ぶことが
出来る…ような気がします。
日本って、(相対的に観て)平和なんですね。(ーωー*
でも、その平和さは、決して盤石なものではないということを、この本を
読んでいて思いました。
下手をしたら、そこらへんの底が抜ける…というか、部分的に抜けてると
いうのが、日本の今の社会現実なのではないのでしょうか。
いろいろ勉強になった本でした。(ーωー*