Oh SOS!!!
大学の推薦入試に落ちた時、応援してくれた人たちに心底申し訳がなかった。
支えてくれた周りの人たちに顔向けできなかった。
自分を推薦してくれた担任、
小論文の添削をしてくれた古典の先生、
推薦をもらった私を応援してくれた友人、
受験でピリついた私にいつでも優しくしてくれた親。
私を応援してくれたいろいろな人たちのことを思ったら、本当に、本当に申し訳がなくてたまらなかった。
まだ一般入試が残ってるのに「落ちてごめんなさい」なんて言うのもおかしいから、謝ることすらできなかった。それが余計に辛かった。落ちたことよりも、期待されたのに結果を残せなかったことが申し訳なかった。
腫れ物に触るみたいに接してくる教師とか親とかを鬱陶しく感じて、散々迷惑をかけた相手に対してそんな風に思っている自分が本当に嫌いだった。
大切な人たちの期待に応えられなかったあの瞬間、私の存在価値は死んだのだ、と。
割と本気でそう思っていた。
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そんな、人生最大レベルの病み期を迎えていた私を救い出したのは、カルロス袴田(サイゼP)の『Oh SOS‼︎!』という曲だった。
ラスサビの歌詞だ。
「生きてるだけで存在価値がある」だなんてふざけた綺麗事だと思っていたのに、そんな綺麗事を「なんだかお得ねぇ」と所帯じみた感じで言われて、おかしな気持ちになった。
おかしな気持ちになって、少し笑って、少し安心して、ちょっとだけ泣いて。それから悩むのはやめて、とりあえず頑張ってみるための踏ん切りがついたのだ。
たった3分31秒に救われて、今の私がいるのだ。
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という昔のエピソードを思い出して、「やさしさを感じた言葉」というお題企画に触発されて、久々にこの大好きな曲を再生した。昔はニコニコで見てたけど、今はYouTubeで見ている。
歌詞が引用したかったので概要欄を開くと、投稿主のコメントに目が引かれた。
概要欄に綴られた2行。
このやさしさに私は救われていたんだなあ。