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【読書日和】「婚活マエストロ」(宮島未奈著)を読んで~出会いとは~


 この本を手に取ったのは、題名を見て、面白そうだったから。
 Webライターの男性と、婚活会社の女性の出会いから始まる。
 婚活イベントは様々だが、良くも悪くも、そこでは出会いは等しく訪れる。だが、短いイベント、パーティーの間に、自分の相手を見つけるのは難しい。それでも、カップルになることもあるのだから不思議だ。もちろんそこでカップルになったから、その後も続くかはわからないが。
 イベントを主催している会社の女性は、10年の実績がある。そんな中、カップルが成立した人たち、しなかった人たちを見て、「出会い」をどう感じていたのだろう。
 そして、Webライターの男性。やむなく婚活事業を手伝うことになり、「出会い」について何を思ったのか。
 「出会い」とは、ないようであるもの。「出会い」がない。そう思っていても、出会っているかもしれない。「出会い」は、実はどこにでもあるのではないか。例えば電車の中。いつも乗る電車のいつもの扉。そこには、同じ場所に乗る人がいるのではないだろうか。これを「出会い」と言えるかはわからないが、そんな些細なことも「出会い」かもしれない。
 いつも行くコンビニで。スーパーで。ドラッグストアで。あるいは飲食店で。もしかしたら出会っているのかもしれない。
 そんな「出会い」を後押しするのが婚活の会社なのではないだろうか。既に出会っていた人たちも、そのイベントの中にいるかもしれない。出会っていて話したことがない人と、婚活イベントで話せたかもしれない。
 婚活イベントは、人生の「出会い」に、彩りを添える手伝いをしているように思えた。
 そして、二人の「出会い」も。
 

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