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日日是好日であるように

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写真日記のような
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2018年11月の記事一覧

失った日のことを

失った日のことを

上野へパンダを見に行ってきた。

シャンシャンを見るのは、これで3回目。可愛さに、年間パスポートを買ってしまった。たかがパンダ、されどパンダ。

今日から、親離れ、子離れのための母子分離が始まっていて、午前中は別々、午後は一緒だったそうだ。ちょうど一緒のシーンを見ることができた。

少し前のブログに、シャンシャンに希望を見ている、というようなことを書いた。シャンシャンが生まれたのは、3度目の手術の

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枯れる

枯れる

港の見える丘公園にて。

秋のバラが美しい。

春に公園の花壇を賑わせていたバラが、夏の暑さを乗り越えて、再び秋に花を咲かせる。

自宅のまわりにバラを咲かせてみたいと思って、たくさん植えたことがある。本を読んで勉強して、苗木を吟味して、何本も植えてみた。

今は一本も残っていない。

枯れたのだ。

花屋の店先では、一年中バラが美しい。

重なる花びらが目を引くし、欲しくなる。自分のものにしたく

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偽物

偽物

沖縄、本部町にて。

赤い太陽が、伊江島のむこうへゆっくりと沈んでいった。太陽から流れ出た赤色が大気と混ざり合い、空も海も、やわらかいピンク色に染まった。印象派の絵画みたいだった。

撮れた写真を見て、そう思ったのだが。

これは偽物だ。

冷房の効いたホテルの部屋から、水分をたっぷり含んだ外の空気に触れた途端、カメラのレンズが曇った。気づかずに、そのまま撮っていた。

本当は、もっとクリアで、も

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憧れのままで

憧れのままで

奥蓼科、御射鹿池にて。

いつかは行ってみたいと思っていた。

ここは憧れの場所だった。

御射鹿池は、奧蓼科にある溜め池だ。水面に木々が映る、水鏡が美しい。日本画家、東山魁夷の作品「緑響く」の舞台となっている。

絵は、この一部を切り取って、さらに空想の世界と繋がっていた。その空気感、世界観が、大きな魅力となっている。

実物だけでない、実物の範囲に留まらない、そこは空想の世界だった。

確かに

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紅葉を

紅葉を

富士宮市、田貫湖にて。

もっと写真を撮るつもりだったのだが。何しろ相手のあることだ。思うように動けない。撮りたいならば、撮りたいと、出かけたいなら、出かけたいと、思うように言えたら、どんなに楽だろうと。

そうしないのは自分で、誰かを思いやっているつもりになっている。でも、心に引っかかったままならば、思いやっているつもりの相手は、時に悪人になる。

ただ、紅葉を見たかったんだ。

山は美しい。