アキのエッセイNo.28ー道具(自助具など福祉機器)を導入する際に注意すべきこと!

1.自助具・福祉機器によって生活はよりよくなるのか?

こんにちは、アキです。

今回は、上記のようなお題で記事を書いていこうと思います。

疾病による身体機能の低下で日常動作が困難になった方に、生活への援助として「道具(福祉機器など)」を導入することがあります。

たとえば、歩行であれば杖、歩行器、シルバーカー、車椅子など。トイレや風呂場、玄関に設置する手すりや日常物品を手に取るためのリーチャー、食事の際に使用する柄の曲がるスプーンや箸蔵君など。沢山の自助具・福祉機器が世に出回っています。

それがあれば生活はしやすくなる!かもしれません

なぜ、「かもしれません」と言ったのかというと、その自助具・福祉機器が対象者様にとって本当に必要なものなのかをよく吟味し、それがあることで本当に生活動作が向上するのか本人は必要と思っているのかかえって動作の妨げになっていないかを評価しなければ導入の意味がないからです。


2.自助具・福祉機器の導入の際に注意すること

身体機能や認知機能等の評価をした結果、自助具・福祉機器を導入を勧めることになった際に注意すべき点を以下に挙げます。

実際にその自助具・福祉機器を使用することで「何をどのように改善したいのか」、使用目的と使用した結果がイメージできているか?その対象者様と道具のレベルが適合しているか?

→例えば、トイレに設置するL字手すりにおいて、立位保持可能だが動的バランスが不良な対象者様に対し、目的:「立ち座り、方向転換の際の補助(姿勢・重心の安定)」として活用するとして、結果:「安定して立ち座り、方向転換が可能」となったとしたら、その道具の導入は適切であると言えます

→立位保持・数歩の独歩であれば自立して可能だが動的バランスが不良の対象者様であれば、「移乗を自立して可能」であると評価できます。ただし、歩行は困難であり、「車椅子レベル(自走)」と考えられますが、その対象者様に対し、歩行器による移動(見守り~介助)までは認めても、「杖歩行自立」は流石に無理であると考えるのは容易でしょう。つまり、上記の対象者様に「杖を導入し、日常的に移動の際に使用して欲しい」と要求するのは、「対象者様と道具のレベルの不適合」により不適切であるということを言いたいのです


②その提供した道具が、対象者にとっても「使いやすい物」か?

→実際に当人が使ってみて評価やし、使用してみて練習する必要があります。合う合わないがあるため、日常生活で活用する道具として導入する場合は「レンタル」の方が良いでしょう


③その作業工程、動作に対し、対象者は「不便を感じている」か?

道具(または新しい道具)の必要性を感じていない、または道具を使わない状態(または今使っている道具の使用で)で十分と感じており、行えているならば提供する必要はないと思われます

→例えば屋内の移動において、「ピックアップ(歩行器)を導入してみたものの、対象者様は屋内の物品(机や荷物など)に掴まることで「伝え歩き」が可能であるため、ピックアップをあまり使うことがない。むしろ使うと、通路幅がそれほど広くないため邪魔になる」というようなケースでは、歩行器の導入の意味が薄くなりますね(我が家の祖母がモデルです)


補足:道具を提供する人が、どれだけその作業に携わっているか?

→全くその作業に関わったことがないのに「この道具を使うように」と提供されると、対象者は不快感を抱くかもしれません


→例えば、料理を普段全くしていない人から「これを使うように」と調理道具を提供されて、「普段やらない人から提供された」「あなたに私の何が分かるの?」みたいな抵抗感を抱かれる可能性がありますね

この補足の例は、リハビリの例ではなく「私と母の例」を取り上げました。リハビリの先生から道具を導入されるのであれば「まぁ、使っても良いか」みたいな感じで受け入れられるかもしれませんが、家族から「これ便利だから使ってみれば!」みたいな感じで、あれこれと道具を与えられた場合、本当に必要で利用価値があれば意味はあるのでしょうが、「本人は必要性を感じていない」、「使うメリットが感じられない」などの理由から困惑することもあります。それ以前に、その作業に携わったことがない相手から道具の利便性を力説され、導入されることに抵抗感が生じるかもしれません。

例えば、調理をろくにやったことがない嫁から便利な調理道具を色々と与えられ、「便利だから使ってみて!」と促された姑がいるとします。今の調理動作に何の不便も感じておらず、その道具のメリットを感じない、むしろ邪魔に感じてしまう。そのため、嫁に対する怒りが生じる(嫁:私の母、姑:私がモデルです!)。

というようなケースが起こりえます。それを回避するには、まず、道具を提供する側がその作業を実践してみて、実体験をもとに本当にその便利グッズが必要か否かを評価する必要があると思われます。

つまり、「その作業について詳しくない人にあれこれ指図されるのは不快」ということですね(リハビリの先生であれば、先生という立場から詳しいであろうと推測できるので受け入れられますが)。


3.最後に

補足の例は、完全に「母に対する私の愚痴」でしたね(笑)。

いやぁ、母は物珍しい物があれば何でも欲しがり、家族に勧めてくる癖があるのでどうにかしたいです。

以上が、自助具・福祉機器の導入における注意点でした!

読者の皆様

お読み下さりありがとうございます!


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