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「私」をつくってくれていたのは、大切なみんなだったんだ。

以前より欲しいものがなくなった。
全くないわけではないけれど、
「これじゃなきゃ嫌だ」がなくなってきたらしい。

服だって、前ならもっとこれが可愛いあれが欲しいと
「欲しいものオバケ」だった。

いつからだろう。
こんなに物が欲しくなくなったのは。
私が今まで欲しかったものは、
「余分な」欲しいものだったのかな。

夫はいわゆるミニマリストの類だ。
その影響から私もあまり物を買わなくなり、
管理できるレベルの少ない量を維持できるようになった。
「本当に欲しいものならどうぞ」
と、夫が私にそのスタイルを強制しなかったからこそ
「ミニマリストなんか嫌だ」
と思わずにここまでやってこれたのかもしれない。

そして、新しい発見もあった。
発見というか「変化」かもしれない。

私は今まで色んな人から色んな物をもらったが、
もらった物をすぐ使うということが実はあまりなかった。
というのも、やはり一応自分も好みというものがある。
しかし、プレゼントというのは
必ず自分好みの物を貰うわけではない。
自分だって、その人好みの物を渡せたことなんか恐らくないと思う。
「はたして気に入ってくれるだろうか…」
と悩みに悩みまくって、黒い渦の中でぐるぐる回る。
そして黒い渦から出られず、結局は謎の物を買ったこともあった。
ごめんなさい。迷惑をかけてしまった方々。
そういうわけで、プレゼントって本当に大変。

あげる方も、もらう方も。

そんな私はいつからか、すぐ使わない物については
ちょっとしまっておくことにした。
自分の好みじゃなくても折角貰ったものだからと、
無理矢理使っていたこともあった。
けれど好みじゃない物は、どうしてもいまいち
テンションが上がらない。
使っていてもしっくりこない。
だから早々に使わなくなってしまい
さらにはその後も使わないまま終わる。
でも自分でも思っていた。
そんなことしたくないなって。

本当は私だって気持ちよく使いたい。
せっかく貰った物は大事にしながらいっぱい使いたい。
けれど自分の好みがそれを邪魔するのだ。

特にこだわりたい年齢というか、そういう気持ちが強い時期があった。
全てを自分のお気に入りで埋め尽くして、
自分だけの世界を創るという感じだ。
好みのもの以外は決して立ち入れさせたくない、立入禁止区域。
どんだけ世界観強いんだって話ですよね(笑)
まぁでもそういう時に人から貰った物を本当の意味で
大切にできるかといえば、
やっぱり少し無理なんですよね。
「ただ使っている」というだけで、
本当の意味では大事にしてなかったりするんですよね。
これがすごく嫌でした。

そこで私、「寝かせる」ことにしました。

休憩ですね。ちょっと休んでいただく。
放っておくわけではありません。
冬眠?そんな感じです。
春になるとゆっくり出てくるみたいな。
それまでちょっとお休みです。

以前こんなことがありました。

知人からプレゼントを貰った時に自分の最初の感想が、
「嬉しいけど、どうしよう…自分の好みじゃない。」
正直そう思いました。
ほんとね、酷い話です。すみません。
でも自分の為にわざわざ用意してくれたことは、
本当に本当に嬉しかった。
そもそも物は貰わなくても全然いいタイプなのですが、
わざわざ用意してくれたプレゼント…
それはもちろん感謝していただきます。
でもどうしようかな。残念だけど、好みではない…
でもこのまま無理矢理使うのもなぁ…
よし決めた。このまま綺麗にしまっておこう‼‼
こうなったわけです。

その後、その貰ったプレゼントの様子を
ちょこちょこと確認するわけです。
すると不思議なのですが、
ある日突然「使おうかな」という気持ちになるんです。
そしてその時がその子のデビューの日となります。
良かった…おめでとう。
デビューは本当に急にやってきます。
そして使い始めると、
不思議ととっても気に入ってくるんです。
こんな風に最初は好みじゃないなと思っても
自分の好みが変わることって結構あったりしますよね?

つまり、貰ったプレゼントは物としては素敵なのに
ただ「今の自分」に合っていないだけ。

そう考えたら、その子と自分が合う日が
待っていたらいつかやってくる気がするんです。
そのタイミングを待つためには、今じゃないなと思ったら
少し「休憩」してもらう。
ゆっくり待っててもらう。
ちょこちょこ挨拶に行く。
これがベストな向き合い方なんじゃないかって。

それからは、私はみんなから貰った物で
「自分がつくられている」ということに気づきました。

最近特に物を買わなくなったのもありますが、
服や小物など以前貰ってその後休憩していた物たちを
今はどんどん使わせていただいています。
好みも少しずつ変わり、前よりすごくお気に入りの気持ちで
使うことができています。
なんとなく使っているんじゃなくて、
感謝の気持ちで使うことができている。
自分の気持ちを偽らず、お気に入りとして思い切り使えている。
確かに全てがそれで解決できるわけではないけれど、
私にはこの方法が合っているみたいです。

縁あって来てくれた。
それをなかったことにはしたくない。
そんな、ちょっとでも可能性を考えたい気持ちから生まれた方法です。

もしよければ、みなさんも
「少し休憩してもらう」のはいかがでしょうか。
さらに仲良くなることができるかもしれません。

そしてこのことは、私が忘れかけていた
「感謝の気持ちを忘れない」というとても大切なことに
繋がっていたのです。

大事なことを思い出させてくれてありがとう。


ではまた。



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ねじり
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